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2016

ホームシアターこだわり編【24pのススメ】

トガジンです。

映画は実写アニメを問わず一秒間に24コマを描写することで動きを表しています。

今回のお題は【映画は一秒間に24コマ】という当たり前すぎるお話です。

何故こんなことを書き始めたかというと、先日せっかく借りたレンタルBDを間違った設定で観てしまったことがきっかけでした。
以前、ブルーレイ・プレーヤーのファームウェアを更新したのですが、そのときに設定が初期化されていたようなのです。
デフォルト設定では1080/24p出力機能がOFFになっていて、それを「ON」に切替えておく必要があったのですが、気付かずにOFF(1080/60p)で再生してしまったため本来の動きで楽しめたはずの映画を十分に堪能することが出来ませんでした。
そのことが無性に残念で、こうして書き留めておくことにしました。

【そもそもどうして映画は秒間24コマなのか?】

無声映画1
その昔、サイレント時代の映画のコマ数は一秒間に16コマでした。

最初に映画のシステムを作った人たちは一秒間に何コマ必要なのかを一生懸命考えたはずです。
そして人間の目で動きを感知できる最小限のコマ数が16だということが判りこれに決めたのだそうです。
詳しい根拠まではわかりませんが、おそらく映画最初期の関係者が実験の末に算出したものだろうと思います。

それが24コマになったのはトーキー(音声付き)になってからです。

サウンドトラック
トーキーでは映写用フィルムの端っこに音声記録部分があり、そこに映像と同期した音声が収録されています。
フィルム映写と同時に再生するわけですが、音楽テープと同じ理屈で16コマ用のスピードでは速度が遅すぎるため音質が非常に悪いものになってしまいます。
スピードが遅いと特に高域が出にくいため、例えば女優さんの声が野太く聞こえてしまうことになるのです。
当時のハリウッドではミュージカル映画が主でしたから、音質が悪いのは大問題でした。
そのため24コマにスピードアップすることで、納得のいく音域が確保できたということです。

トーキー
最初のトーキー映画である『ジャズ・シンガー』が制作されたのは1927年のことですから、それから約90年間ずーっと「映画は1秒間24コマ」なのです。


ではもっとスピードを上げてコマ数を増やせば、動きの滑らかさも音質も向上するだろうと考えるのは当然のことです。
質だけを考えればもっともなのですが、コストや手間ひまを考えると実は全く現実的ではありません。

仮に現在の秒間24コマから倍の48コマにするとします
動きはより滑らかになり、音も倍のデータ量が使えるわけですから高音質化できるのは間違いありません。
しかし、それは撮影や編集に使うフィルムの使用量とその現像代も単純に倍になるということです。
さらにフィルムのスピードが上がるということは、常に高速撮影をしているようなものですから今よりもっと明るい強力な照明が必要になります。
ただでさえ大型の照明機材が必要だった時代に、その倍の光量が必要になってしまうのではコスト云々でなく当時としては不可能なことだったと思います。
編集作業においても一秒間あたり倍のコマ数と格闘することになり完成までの道のりが長くなります。
24コマ以上にすることは当時の映画産業そのものが成立しなくなってしまうことにつながります。

【テレシネについて】

秒間24コマの映画をテレビで放映するにあたり、秒間30フレームのフォーマットに変換する必要があります。
6コマ分を増量するわけですが、単純に24コマ中6コマを2度づつ表示(4コマごとに1コマを2回表示)するとこうなります。

1コマ目→1フレーム
2コマ目→1フレーム
3コマ目→1フレーム
4コマ目→2フレーム
5コマ目→1フレーム
6コマ目→1フレーム
7コマ目→1フレーム
8コマ目→2フレーム

シンプルですがこれだと4コマ目で動きが大きくカタついて見苦しいものになってしまいます。
実際には、テレビ信号が秒間30フレーム/60フィールドということを利用してもっと複雑な変換を行っています。

interlace.jpg
インターレースの概念図(ESATT様より引用させていただきました)

初期のテレビ放送においては、一秒間の30フレームを一気に伝送することは負荷が大きく難しいことでした。
そこで1フレーム(当時は走査線525本)を走査線を1本おきに2度に分けて伝送するインターレース方式が考案されました。
1秒間に2度の送信が必要になりますが一回一回の伝送負荷は軽くなるうえに隙間に各種制御信号を埋め込むことも出来て便利であるため、ハイビジョン化された現在でも継承されている技術です。

1コマ目→2フィールド(1フレーム=プログレッシブ)
2コマ目→3フィールド(1.5フレーム)
3コマ目→2フィールド(1フレーム=プログレッシブ)
4コマ目→3フィールド(1.5フレーム)
5コマ目→2フィールド(1フレーム=プログレッシブ)
6コマ目→3フィールド(1.5フレーム)
7コマ目→2フィールド(1フレーム=プログレッシブ)
8コマ目→3フィールド(1.5フレーム)

2-3プルダウン
図で見るとこうなります。(「ITmedia流液晶ディスプレイ講座」より引用させていただきました)

このように増量分のフレームを散らすことによって違和感の”少ない”テレシネが行われてきました。
2・3・2・3・・・・と変換パターンが続くことから2-3プルダウンと呼ばれています。

【映画は24コマ/秒で観るもの】

24pON.jpg
ブルーレイは基本的に元のフィルムと同じ24コマ(1080/24p)で収録されています。
(ビデオ撮影作品やDVD時代のマスターを流用したものなど一部を除く)
それを1080/24pのまま出力できるプレーヤーや、1080/24pで表示出来るテレビ・プロジェクターが登場したのは2007年頃のことでごく最近です。
非対応のテレビに24p映像を出力しても映らないため「故障じゃないか?」というクレームを避ける目的で、デフォルトの設定がOFFにされていることが多いです。
逆に言えば、せっかく24P再生が可能なのに、そのことを知らずにDVDやVTR時代の水増しされた動きで映画を観ている人も少なくありません。

DVDでは規格として480/24pなるものが存在しませんが、2-3プルダウン時の変換パターン情報がディスク内に記録されておりそれを読み取ることで正確な24p変換をすることが可能になっています。
WOWOW等の放送ものは1080/60i規格ですが、レコーダーの24p変換再生機能を使うことで本来の動きで再生が可能です。

108024p.jpg
映画が24コマ/秒で作られるものである以上、同じ24コマ/秒で再生することが制作者の意図どおりの作品を鑑賞することに繋がると思います。
昔のブラウン管テレビの時代とは違って今はそれが可能なのですから、映画ファンを自認する者なら手持ちの機器を再確認してこだわってみてもよいのではないでしょうか?。


以上、個人的な備忘録でした。
お付き合いいただきありがとうございました。
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