映画と日常

週刊映画鑑賞記(2018.6/25~2018.7/1)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。

20180701 暑ッ
梅雨もまだ明けていないというのに福井では連日気温30度を超す真夏日が続いております。
8年前に一度炎天下で倒れて以来、夏は「熱中症恐怖症」に陥ってしまう私は、常に帽子と黒いタオルと2本の水筒(水とスポーツ飲料)が手放せません。

連日の暑さで仕事の疲れも倍化するうえに熱帯夜のため眠りも浅く、家で映画を観ていてもついウトウトしてしまいます。
そのため、今週は1本の映画を二日に分けて見る羽目になってしまいました。



6/26(火)
さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅-』
(劇場:メトロ劇場)
劇場版『さよなら銀河鉄道999』ポスター
37年ぶりに観た感想は先日の記事(「ただいま松本零士ブーム再燃中!」 2018/6/28 )の中で書いていますので今回はフィルム上映について思うことを少々・・・。

画面全体に漂う粒子間。
カタカタ細かく揺れる画面。
画面を縦に走る、まるで雨のような傷。
時々右上にボッと現れる切替えパンチ。
そしてその6秒後、必ず訪れる盛大な傷とゴミ、そして音飛び。
ひどい時にはフィルムか切れて場内真っ暗になったり、途中で天地も時間軸も逆さになって逆転再生状態になったことも(笑)。


どれもこれもデジタル上映が主体となった現在では絶対に見られないものばかりですね。

文句を言ってるようにしか見えませんが違います(笑)。
目は疲れるしセリフも聞き取りづらいことが多いですが、それでもいそいそと映画館に足を運んでしまうのは、「今、俺は映画を観ているッ」という実感が欲しいからかも知れません。

今のシネコンしか知らない若い人たちには理解できないかも知れませんが、元々映画って映写技師さんが手作業で見せてくれるものだったのですよ。
特にメトロ劇場ベテラン映写技師のY田さんは私も何度かお会いしたことがある方で、本当に映画がお好きで福井県内で作られるインディーズ映画にもよく出演していらっしゃるという、私からすれば大先輩にあたる方です。
『999』の上映中も「今日の上映はY田さんが映写してくれているのかな?」などと思いながら観ていました。
あの感覚は、幼い頃に保育園で先生が見せてくれた紙芝居にも通じるものがありますね。



6/29(金)と30(土)の二日間に分けて
一命(3D版)』🈠
(ホームシアター:WOWOW録画)
『一命』
先日小林正樹監督の『切腹』を観たことで、この作品もBDレコーダーに中に残っていたことを思い出してしまいました。
『切腹』のリメイク版一命です。

『一命(3D-SBS)』
この『一命』ですが、なんと日本初(それはつまり世界初でもある)3D時代劇だったのですよ。
公開当時は3Dという点に興味があったものの、なにせ内容はあの『切腹』です。
「あの竹光で切腹するシーンを3Dで見せられてもなあ・・・」と考えて結局観に行くことはしませんでした。
今回残っていた録画もサイド・バイ・サイドの3Dバージョンでした。
久し振りに3Dメガネを引っ張り出してきて視聴開始です。

映画が始まって比較的早い時点で半四郎が何かを企んでいることを見抜かれてしまいます。
そのため旧作前半の見どころだった心理戦が無くなってしまいました。
また、最終的に求女の介錯をしたのが川辺右馬助ではなく斎藤勧解由(演:役所広司)になっています。
三國連太郎さんが演じた旧作の斎藤は、求女の刀が竹光であることを知ったうえで切腹をけしかける嫌味な人物にも見えましたが、役所さんの斎藤は自分の短刀を貸そうとするなどして人間性が加味されていたようです。
しかし、これでは半四郎が(求女を追い込んだ)3人の家臣に辱めを与える動機が希薄になり、武家社会への批判云々といった観点さえ失われかねません。

案の定、3人の家臣との対決シーンが短くなった分だけ半四郎と求女・美保夫婦の思い出シーンが大増量されていました。
おそらく求女の無念の死を際立たせようとしたのでしょうが、ストーリーの枝葉部分を掘り起こされても冗長な印象にしかなりません。
昭和時代の名作を平成にリメイクする際、個人エピソードを膨らませて失敗するという日本映画のジンクスは怪獣映画も時代劇も同じのようです(笑)。

結局、この回想シーンの途中で睡魔に耐え切れなくなり視聴を一時中断。
その時点で止めてしまうことも考えましたが、やはり内容の変更が気になっていたので翌日残りも観てみることにしました。

リメイク版で唯一評価出来る変更点は、半四郎の使う刀もまた竹光であったという点です。
「求女の竹光を嘲笑った上流武士どもの真剣を半四郎が竹光で返り討ちにして見せる」というシークエンスは、テーマ的にもエンターテイメントとしても良い改変ではなかったかと思います。



このところの暑さで体内時計がすっかり狂ってしまいました。
今宵はエアコンをかけてグッスリ寝ることに専念します。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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COMMENTS

3 Comments

There are no comments yet.

ポール・ブリッツ  

>「一命」

うわー、そんな映画もってカンヌへ行ったのかー(^^;)

度胸あるなあ監督もスタッフも。1963年のカンヌ映画祭審査員特別賞受賞作だから、カンヌの審査員で「切腹」見てない人はまずいないと思うのに(^^;)

2018/07/03 (Tue) 12:42 | EDIT | REPLY |   

ポール・ブリッツ  

さらには「一命」が賞をもらった「第一回パロアルト国際映画祭」、ぐぐってみたけどどんな映画祭なのかまったくわからん(^^;) 第二回、あったのかなあ(^^;)

2018/07/03 (Tue) 12:49 | EDIT | REPLY |   
トガジン

トガジン  

サムライ!、ハラキリ!、オーマイガ~ッ!

ポール・ブリッツさん、コメントありがとうございます。

私も調べてみましたが、『一命』がパロアルト国際映画祭で貰った賞は「3D技術賞」とのことです。
内容が評価されたわけではありませんのでご安心を(笑)。

カンヌ映画祭にしても、最近はよほど酷い作品でもない限りは必ずスタンディングオベーションしてくれている印象がありますね(笑)。
本当に最高賞を獲った『万引き家族』は別ですが、日本という異文化社会を描いた作品に対しては全体に評価が甘い気がします。
それが「サムライ」「ハラキリ」ともなれば尚の事でしょう。


三池監督は「『一命』は『切腹』のリメイク作品ではなく原作小説『異聞浪人記』を自分なりの解釈で再映画化した別の作品だ」とおっしゃっていました。
ですが、求女と美保夫妻の赤貧ドラマ部分を増量させたうえに半四郎と勘解由による「武士の体面」論を簡略化したところを見ると、原作からの換骨奪胎ポイントを読み損ねたとしか思えません。
なぜならば、原作『異聞浪人記』は、作者(滝口康彦)が終戦時に体験した日本政府の無節操な政策転換への戸惑いや憤りを武士社会に置き換えて描いた物語なのですから。


ディスるばかりも何なので、少しだけ『一命』の良かった点も・・・。

本記にも書きましたが、私は「ラストで半四郎が使った刀も竹光だった」という点だけは高く評価しています。
「武士の体面」論議をきちんと描いていればもっと効果的に見えたはずなのに勿体ないアイデアでした。
もう一つ残念なのは、市川海老蔵が綺麗すぎてどうしても関ケ原や大阪夏の陣・冬の陣を戦い抜いた凄腕の剣士には見えないこと。
これこそ旧作で仲代達矢にやってほしかったですね~。

それと、子供の頃の求女役と美保役に子役俳優を起用していたことも評価します。
『切腹』が日本映画史に残る大傑作である事実は微塵も揺らぎませんが、当時20歳の岩下志麻に8歳の幼女役を演じさせるのだけは無理があると思ってましたから(笑)。

2018/07/03 (Tue) 23:39 | EDIT | REPLY |   

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