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2018

週刊映画鑑賞記(2018.4/16~2018.4/22) 『ちはやふる-結び-』『パシフィック・リム:アップライジング』

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。

4/16(月)
『ちはやふる-結び-』
(劇場:テアトルサンク)
『ちはやふる-結び-』poster
この日は夕方4時頃に仕事が終わるということで、帰りに嫁と映画館前で落ち合い一緒に『ちはやふる-結び-』を観てきました。
彼女は初鑑賞ですが私は2回目になります。
私としては先日のエキストラ参加記事(>『ちはやふる-結び-』~かるたの聖地にて~)を仕上げるための確認のつもりでした。
でも、映画にしっかり映っていたことを嫁にも自慢したくなって彼女を誘ってみたところ、「ほんなら丁度いいわ。私も観たいと思ってたとこや。」と言ってくれたのです。

私「けど、前の2本を観てえんと話分からん思うぞ。」
 (訳:でも前の二部作を観ていないとお話が分からないと思うよ)
嫁「大丈夫、前のもちゃんと観たもん。」
 (訳:大丈夫、前作はちゃんと観たから)
私「え?おめーこういうの観る人やった?。知らなんだわ!。」
 (訳:えっ?。君がこういう作品も観る人とは知らなかったなあ)
嫁「ほやかて、あれ、金津でも撮影してたんやざ。ほやったら観たいがし。」
 (訳:だって『ちはやふる』はあわら市金津町でも撮影されていたのよ。だったら観たいと思って当然じゃないの。)
私「そんならそうと言うてくれたら・・・」
 (訳:それならそうと言ってくれれば(一緒に行ったのに))
嫁「だって、あんたこういうの全然興味無かったやろ」
 (訳:だってあなたはこういうティーンの恋愛映画には興味無かったじゃないの)
私「ああ、そやったな・・・」
 (訳:ああ、そうだったね)

かくして、これまで一緒に映画を観に行くことは滅多になかった私たち夫婦は、2月の『マンハント』に引き続き今年二度目のペア鑑賞をしたのでありました。
これは私たちにとって本当に珍しいことです。
実は、彼女はその映画のラストがハッピーエンドか否かとか、辛いシーン(特に子供が死んだり苦しむようなシーン)の有無を先に確かめた上でなければ新しい映画を観ようとしたがらないのです。
そして、私が観たがる映画はSFやアクションものが中心ですが、彼女の好みは大人の恋愛ものとディズニーアニメです。
ディズニー以外はお互いに全然好みが合わないため、家のホームシアターですら一緒に観る機会が少ないくらいなのです。

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』ポスター(横)
ちなみに、『マンハント』の前に私たちが一緒に映画館で観たのは、『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』だったと思います。
それも福井では上映していないということで二人で金沢まで観に行ったのでした。
彼女自身も観たい映画は多少の手間暇はかかっても観に行きたがる人ではあるのです。
(だからといって、「この映画だけはIMAXで観たいから」と言って大阪まで足を運ぶ私の行動は理解し難いようですが・・・)

0612 服装
この日はとても暑かったため、私の服装は『ちはやふる』に映った時とほとんど同じものでした。
おかげ(?)で、彼女は映画の中盤に登場するパートナーの姿を自分の目で見つけてくれました。
その場面で彼女と顔を見合わせた時の私は、おそらく自分史上最高の「ドヤ顔」をしていたに違いありません(笑)。

観終わってすぐの彼女の感想はコレでした。
ちはやふる-結び- 新と伊織
嫁「新と伊織の福井弁、ひっでもんに変やったの」
 (訳:新と伊織の福井弁、ものすご~く変だったね)
私「なんやっちゃおえー、俺のことでねんか?」
 (訳:なんだよおい、俺のことじゃないのか?)

まあ、方言に関しては私も同感なのですがね(笑)。
新(演:真剣佑)は小学生時代に東京に住んでいたのであれでも構いませんが、他の生粋の福井っ子たちの言葉があまりにもおとなし過ぎてかなり違和感がありました。
あれは同じ北陸地方でも金沢の言葉に近かった気がします。

設定上、新や伊織たちが住むのは福井県あわら市ということになっており、そこは私が住んでいる街のすぐ隣に位置しています。
日本海に面するこの地域の方言は、漁師言葉の影響もありもっと早口で汚くて荒っぽいのです。
他県の人からは「福井弁のイントネーションは韓国語に似ている」と言われるくらいです。
とは言え、上に書いたみたいなネイティブ福井弁では、誰も話の内容を理解できないと思いますけどね(笑)。

『ちはやふる』劇場パンフレット
珍しいことついでにもう一つ。
劇場パンフレットなど滅多に買わない私ですが、今回ばかりは買ってしまいました。
お目当てはもちろん、メイキング写真のどこかに自分が映っていないか?という一点だけです(笑)。
しかし、参加した日の写真はあったものの残念ながらそこに私の姿は映っていませんでした。



4/19(木)
『パシフィック・リム:アップライジング』🈠
(劇場:TOHOシネマズ二条)
パシフィック・リム2
観た感想などは4/20日の記事をご覧ください。
『レディ・プレイヤー1』の公開で、せっかくの『パシフィック・リム』IMAX上映もわずか一週間で一日一回限りに追いやられてしまいました。
(いや、『レディ・プレイヤー1』はメチャクチャ楽しみにしているのですよ)
この春は『パシフィック・リム:アップライジング』『レディ・プレイヤー1』の他にも
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル 』
『いぬやしき』
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
『GODZILLA 決戦機動増殖都市 』
『ランペイジ 巨獣大乱闘』
『デッドプール2』
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
等々、
ざっと思い付くだけでもこれだけの数のSF/アクション映画が目白押しです。
互いに客を食い合うようなことにならなければ良いのですがねえ。

『パシフィック・リム:アップライジング』のラストシーンでは「今度は人類の方から敵の本拠地”異次元世界アンティヴァース”に乗り込んで行くぞ!」というまるで『インデペンデンス・ディ:リサージェンス』みたいな続編宣言がありました。
嬉しいことではありますが、内心「本当に作ってもらえるのだろうか?」と心配になるような客の入り具合でありました・・・。



さて。
現時点で、すでに来月6日のゴールデン・ウィーク最終日まで仕事の予定でギッシリです。
クライアントの皆様、本当にありがとうございます!(血涙)。
先日、32日ぶりの貴重な終日休みを京都行きに費やしてしまったことが果たして吉と出るか凶と出るか?。
あと2週間、踏ん張りどころです。

今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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2018

『パシフィック・リム アップライジング』(IMAX/3D 字幕版)

トガジンです。
昨日(19日)は実に32日ぶりの完全休日になりました。
しかも、天気は快晴そのもので絶好のドライブ日和です。

「よし、映画観に行こう!」

「なんでやねん?」と、ツッコむ声が四方八方からサラウンドで聞こえてくるようです。
もちろん福井県内の映画館ではありませんよ(笑)。

パシフィック・リム:アップライジング 戦いは新世代へ
ドライブを兼ねて、京都までIMAX/3D版『パシフィック・リム アップライジングを観に行ったのです。

前作『パシフィック・リム』3Dブルーレイ
5年前の前作パシフィック・リムは、字幕版と吹替版合わせて10回以上劇場に足を運んだくらい大好きな映画です。
もちろん、ブルーレイも買って何度も観返しています。
そして、『パシフィック・リム』は私のIMAX/3Dと4DXの初体験映画でもありました。
IMAX/3Dは109シネマズ名古屋へ、4DXはオープン直後の中川コロナ(愛知県)へそれぞれ県外遠征をしております。
それはもちろん、嫁や母から冷ややかな視線を浴びながらの出発だったことは言うまでもありません(笑)。

今回急いでIMAX鑑賞を決めたのにはもう一つ理由がありました。
翌日(つまり今日)からスピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』が公開となるため、IMAX上映もそちらに切り替わってしまう可能性が高いのです。
来週・再来週の予定は全日すでに仕事で埋まっているため、この日を逃すと『パシフィック・リムアップライジング』をIMAXで楽しむ機会は永遠に失われてしまうかも知れません。

【TOHOシネマズ二条】
20180419 京都二条駅前
本当は大阪のエキスポ・シティに行きたかったのですが、あちらは中心部の良い席がすでに売り切れてしまっていました。
そこで、今回は少し立ち寄って行きたい場所もあったことから京都のTOHOシネマズ二条にしました。

20180419 東宝シネマズ二条ロビー
現在のところ、ここが私の家(福井県)から最も近いIMAX劇場ということになります(笑)。
ここでIMAX上映を観るのは『シン・ゴジラ』(2016年8月)『君の名は。』(2017年1月)に続いて3回目ですが、3D作品を観るのは今回が初めてです。

20180419 チケット
購入したのは16時50分開映の回です。
C-18番はスクリーンに対してセンターライン上のやや前寄りの席になります。
翌日(つまり今日)の仕事が早朝開始だったので本当はもっと早い時間に行きたかったのですが、『パシフィック・リム:アップライジング』のIMAX上映はこの時間からしかありません。
ちなみに大阪の109シネマ:エキスポ・シティでも似たような状況でした。
公開からまだ一週間しか経っていないというのにこの扱いの悪さは一体どうしたことでしょう?。
客入り悪いんですかねえ。

20180419 IMAX用偏光メガネ
こちらがTOHOシネマズIMAX専用の3D偏光メガネです。
一般的な3D映画のメガネは3D機能付き液晶テレビでも使える共用タイプですが、ここのIMAX用メガネは同じ偏光方式でも仕組みが違うようです。
次にTOHOシネマズで3D映画を観るときはこのメガネを忘れないようにしましょう。



【乗れない理由】
パシフィック・リム:アップライジング イェーガーたち
こうして無事IMAXで鑑賞した『パシフィック・リム:アップライジング』。
視野一杯に広がる鮮明な映像はやはり圧巻でした。

パシフィック・リム:アップライジング イェーガー翔ぶ
しかし、何か物足りません。
怪獣と巨大ロボットが大好物の私としてはとても面白かったものの、どうしても前作みたいに血沸き肉躍らないのです。

帰路につくおよそ3時間、運転しながらずっとその原因を考えていたところ、前作にあった2つの重要な要素が欠けていたことに気が付きました。
それは、「パイロットの搭乗シーン」と、そのシーンで流れていたあの「超絶カッコいいテーマ曲」です。

パシフィックリム ハンド・シェイク
前作『パシフィック・リム』で私が一発で魅入られてしまったあのアバン・タイトル。
パイロットのベケット兄弟が専用スーツに身を包み、コックピットである頭部に乗り込んで本体にドッキング。
管制官のテンドーと軽口を叩きながら神経接続”ドリフト”を実行、そして嵐の海へと出撃して行く。

今回の『アップライジング』では、あの重量感と高揚感を構築していった「手順」が省かれてしまっているのです。
理論上どんなに効率が悪かろうと、こういった「お約束」はちゃんと守っていただかないと日本人としては気持ちが乗ってきません。

マジンガーZ パイルダー・オン!
例えるならば、本シリーズの原典と呼ぶべき『マジンガーZ』
兜甲児がパイルダーに乗り込み、『十戒』や『大魔神怒る』の如く割れたプールからせり上がってくる本体とドッキングして見せて初めてマジンガーZたり得ます。
そして、そこに流れるBGMは渡辺宙明先生の曲であらねばなりません。
声優さんの変更やCGによるロボット描写など何かと批判が多かった『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』が、それでもちゃんと『マジンガーZ』の続編として受け入れることが出来たのはこうした「お約束」をきちんと守っていたからです。

20180419 イェーガー対イェーガー
映画の前半には怪獣は現れません。
代わりに、ヤプールみたいな敵の異次元人に操られた無人イェーガーが人類を襲います。
この辺りのイメージがまるで『新世紀エヴァンゲリオン』だったり『機動警察パトレイバー 劇場版』だったりと、既視感が半端無かったです。
リスペクトやオマージュはいいのですが、前作のように消化し切れていない印象であまりにも分かり易すぎです。

【色分け希望】
パシフィック・リム:アップライジング 訓練生たち
残念なのは若い訓練生たちの個性の描き分けが不十分だったことです。
終盤は4体のイェーガーによるチーム戦という美味しいシチュエーションであったにも関わらず、誰がどのイェーガーに乗っているのかよく分からないまま戦闘シーンに付き合わされた気がしました。
実は私、あの中でただ一人戦死した少年兵が誰だったのか分からないままでしたし、『ちはやふる』にも出演していた新田真剣佑もどれに乗っているのか判別出来ていませんでした。
せめて各々のイェーガーに準じた色やデザインのパイロットスーツを着せてくれれば、終盤の大ピンチも逆転劇ももっと楽しめたはずだと思っています。

【別嬪さんは正義である】
パシフィック・リム:アップライジング ジン・ティエン
もう一つ気になったのは、あからさまな中国ヨイショです。
もっとも、レジェンダリー・ピクチャーズ社は一昨年中国企業に買収されていますので、今更文句を言っても始まらないのですがね。
まあ、そのおかげで『グレート・ウォール』に引き続きジン・ティエンさんの美顔を拝めたのですから良しとしましょう。

それにしてもこのジン・ティエンさん。
レジェンダリー・ピクチャーズ作品の顔になりつつありますね。
『グレート・ウォール』のリン・メイ隊長の子孫、そして『キングコング: 髑髏島の巨神』のサン・リンの孫娘とかいった設定で次の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にも出て来そうな気がします。


さて・・・
少し時間を遡ります。



【祗園精舎の鐘の声・・・】

冒頭に書いた「立ち寄りたかった場所」とは此処の事です。

20180419 旧・京都みなみ会館
先月いっぱいで惜しまれながら閉館を迎えた京都みなみ会館です。
せっかく京都へ来たのですから、あれからどうなっているか様子を見に行くことにしました。

20180419 旧・京都みなみ会館 入口
連日出し物が貼られていた入り口階段横のショーケースも空っぽです。
こうやって周りをウロウロしていると中から吉田館長がひょっこり顔を出したりしないか、なんて考えてました。
これじゃまるでス●ーカーみたいですね(笑)。

20180419 旧・京都みなみ会館 兵どもが夢のあと・・・
こうやって写真を撮っていると、隣の雑貨屋さんの前で見知らぬ男の人に声を掛けられました。

「兄ちゃんもここ(みなみ会館)の常連さんやったんか?」

どうやら、閉館した今でも私と同じくこの建物に名残を惜しむ人が後を絶たないようですね。
私がこの建物で映画を楽しんだのは一か月前のオールナイトただ一度きりですが、そんな私でさえあの楽しさが忘れられずにこうして跡地を訪れているのです。
常連さんにしてみればその寂しさは私なんかの比ではないのでしょうね。

この一か月間、私は日曜日を迎える度に「あのオールナイトからもう●週間か・・・」と振り返ってばかりいたものでした。
今回のセンチメンタル・ジャーニー(笑)はそれを吹っ切るための儀式でもあったのです。




今年の春の繁忙期はようやく一区切り付きましたが、来週からまたゴールデン・ウィーク地獄に突入です。
『レディ・プレイヤー1』はなんとしてでもエキスポシティのIMAX3Dで観たいのですが、どう頑張っても5月中旬になるでしょうねえ・・・。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

Tag:パシフィック・リム アップライジング IMAX

18
2018

『ちはやふる-結び-』~かるたの聖地にて~

トガジンです。
『ちはやふる-結び-』の公開からちょうど一か月が過ぎました。
私は昨年の5月から6月にかけてこの作品の一部のシーンにエキストラとして参加しております。
忘れてしまわないうちに、当時の現場体験を該当する場面と絡めながら書き綴っておきたいと思います。

最初に謝っておきます。
今回の記事はメチャクチャ長いです。
しかも自分の事しか書いておりません(笑)。
『ちはやふる』にも映画のエキストラにも興味が無いという方は、スルッと読み飛ばされることをお薦めします。
反対に、私と同じく『ちはやふる』の撮影に参加した方や映画の撮影現場に興味がある方に少しでも楽しんでいただければ幸いです。

『ちはやふる-結び-』
(劇場:テアトルサンク)
『ちはやふる-結び-』ポスター
<あらすじ>
瑞沢高校競技かるた部員の綾瀬千早(広瀬すず)と若宮詩暢(松岡茉優)が全国大会で激闘を繰り広げてから2年。
真島太一(野村周平)、綿谷新(新田真剣佑)らと共に名人・クイーン戦に挑む千早だったが、詩暢との戦いを目前に我妻伊織(清原果耶)に敗れ挑戦権を失ってしまう。
そんな中、千早たちの師匠・原田秀雄(國村隼)を難なく退けた史上最強の名人とされる周防久志(賀来賢人)に新が挑戦状を叩きつける。
やがて3年生になった千早は、高校最後の全国大会に向けて動き始めるが・・・。


MVより ラストシーン?
■感想
普段、私はこういったアイドル主演のラブコメや青春ものは余程のことがない限り自分から進んで観ることはありません。
映画『ちはやふる』シリーズも私自身がエキストラとして参加していなければ一生縁が無かったはずの作品でした。
前作を観たのも、『-結び-』にエキストラ参加するために内容を確認しておきたかったからに過ぎません。

しかし、映画『ちはやふる』シリーズは全3部作として見事な着地を見せてくれていました。
小泉監督の手による脚本は非常にまとまりが良く、新登場のキャラクターはもちろん前作からの登場人物にも一人一人にしっかり見せ場が用意されていました。
また、クライマックスではクィーン決定戦で千早と詩暢の対決が描かれるものと思っていましたが、この映画は瑞沢高校競技かるた部全員の物語として描くことに特化したようです。
千早たちが創った端沢高校かるた部が波瀾曲折を乗り越えて一つにまとまり、やがては十数年後の後輩たちにも受け継がれていったことを示唆するラストシーン。
前作の冒頭で触れられていた千早vs詩暢の対決(クィーン位戦)の結末も本作のエンドタイトルでさらりと明かされたのみでした。
新や太一との色恋沙汰なども「ご想像にお任せします」といったドライな終わり方でベタベタしません。
この思い切りは粋であり大正解だったと思います。

前2部作を観ていることが絶対条件ですが、なかなか良く出来た青春映画だったと思います。
(自分も参加したことで多少の身贔屓はあるかも知れませんが・・・)



【平成29年5月中旬】
『ちはやふる』続編のエキストラ募集発見!
昨年5月、『シン・ゴジラ』や『マンハント』の時と同じく、「東京エキストラNOTES」さんを通してこの『ちはやふる-結び-』エキストラ募集を知りました。
撮影現場として東京以外にも滋賀県や京都が挙げられています。
具体的なロケ場所は伏せられていますが、競技かるたの世界を描く『ちはやふる』で滋賀ロケといえば近江神宮しか考えられません。
私の家からだと4時間近くかかる距離ではありますが、日帰りすることも十分可能な範疇です。

私の仕事はゴールデンウィーク明けから6月っぱいにかけて結構ヒマになりますのでこれは絶好のタイミングでもあります。
早速、募集受付分の中からスケジュールの空いてる日を片っ端からエントリーしていきました。

5月31~6月2日募集
こちらは実際に参加した最初の3日分の募集内容です。
役柄としては観客役の他、カメラマンを含む報道関係者役や運営スタッフ役となっています。
これが何か重要な試合シーンの撮影であることは明らかでした。

6月10日あわら市募集
しかも、地元福井のあわら市(私の住む街のお隣・車で10分かかりません)ロケも予定されているではありませんか!。
当然これにもエントリーしましたが、残念ながらこの募集には落選となり地元での参加は叶いませんでした。
10分で行けるのに・・・。

当選メール
さすがは広瀬すず主演作品とあってなかなか当選通知が来ませんでしたが、5月末になってようやく1件目の当選メールが届きました。

6月2日繰り上げ当選
さらに、一度は落選した6月2日の分も「追加募集」で繰り上げ当選となり、なんと3日連続で撮影に参加させてもらえる事になりました!。
これらは全て、滋賀県大津市の近江神宮境内にある近江勧学館での競技かるたの試合関連シーンの撮影です。

この時の私の浮かれようは当日のブログでも書いておりますので合わせてお読みいただければ幸いです。
喜びすぎて、出発前日に福井ロケ地巡りなんかもしています(笑)。
>映画『ちはやふる-結び-』にエキストラ参加決定!



【5月31日】
朝8時に近江神宮へ到着するにはどんなに遅くとも早朝4時には家を出なければなりません。
自宅から大津京駅までが約3時間、そして駅から近江神宮まで徒歩で約20分です。

0531 近江神宮 私と同じエキストラ参加者たち
高速道路も一部利用して、ほぼ予定通り朝7時半に近江神宮に到着しました。
参道を歩きながら後ろを振り返ってみると、私と同じエキストラ参加者の皆さんが続々と集まってきます。

0531 近江神宮
近江神宮は、百人一首の第一首「秋の田の~」を詠んだ天智天皇が祀られていることからかるたの聖地となったようです。
石段の下で立ち止まり、パンパンと柏手を打って拝礼してから現場へ向かいました。

MVより 近江神宮
ちなみに、このアングルは映画『ちはやふる-結び-』にも出てきます。
撮影時期がほぼ同じなので樹木の繁り具合が全く同じなのが嬉しかったりします(笑)。

近江神宮 勤学館
今回参加した一連の撮影は、滋賀県大津市の近江神宮境内にある勤学館で行われました。
実際の「競技かるた全国大会」や「名人位・クィーン位戦」もここで行われる事から「競技かるたの甲子園」と称されている建物です。
撮影当時は前の駐車場に大きなテントが3張建てられていて、そこが我々エキストラの待機場所になっていました。
初夏ということでかなり蒸し暑く、テントの隅には給水器と塩分補給用の飴玉が用意されていました。

やがて助監督さんがエキストラたちの顔や体型や服装を見て配役を決めていきます。
『マンハント』の時と同じく、応募の時に「自分は本職のTVカメラマンである」とアピールしておいたのですが、カメラマン役は早めの段取りが必要だったらしくすでに全員決定済みでした。
う~む、残念!。
無理してでももっと早く行くべきでした。
結局私の役は観客の一人ということになりました。
残念ながら希望通りとはいきませんでしたが、それでも映画作りに参加できるなら何だってやる覚悟です。

【私の居場所】
原作 0531撮影分 クィーン位戦(設定変更?)
この日の撮影内容は、千早たちが2年生時の「名人位・クィーン位決定戦」シーンで原作単行本で言えば23巻に相当します。
全部で80畳もある大広間(浦安の間+豊栄の間)の外周部を観客(エキストラ)が取り囲み、窓側には読み手や審判員(俳優さん)が配置されていました。
5月31日から6月2日までの3日間、私が参加したのは怒涛の如くたたみ込まれるこの冒頭アバンタイトルの札だったのです。

一つの試合シーンを2日間かけて撮影するとのことで、私も含めた両日連続参加の者は比較的画面に映りやすい最前列に配置してもらえました。
「前後の繋がりがあるので、自分の座り位置をしっかり覚えておいて欲しい。」とチーフ助監督さんに言われたのですが、割り当てられた私の定位置を見てビックリしてしまいました。

ちはやふる-結び- クィーン位決定戦(印)
なんと、私の定位置はクィーンの座をかけて戦う若宮詩暢(松岡茉優)と我妻伊織(清原果耶)の真正面だったのです。
絶対忘れようがありません(笑)。
この場所で正座して試合を見ているわけですから、自然と私の目線がクィーン役の松岡さんたちとほぼ同じ高さになります。
カメラが対面側から二人を狙うショットでは、私の姿はほぼ確実に映ると思われます。
これは実に美味しいポジションでした。

でも、こんな美味しい位置に陣取って二人の対戦を真剣に見つめている私って一体何者なんでしょう?。
「これじゃまるでこのどちらかの父親みたいだ」と、”役作り”に悩んだりしてました(笑)。
撮影では(私から見て)真正面にカメラを配置して二人が対面する画も撮っていたので、あのショットが使われた場合には彼女たちの奥に確実に私が映ってると確信していたのですが・・・。

『ちはやふる』クィーン(矢印)
映画はいきなりクィーン:若宮詩暢の試合シーンから始まります。

『ちはやふる』我妻(印)
しかし、このシーンで詩暢が対戦している相手は千早ではありません。
この映画のオリジナルキャラクター、我妻伊織です。

詩暢と伊織の奥にずらりと並ぶギャラリーたち。
全員顔は映っていませんが、服装やその時の動き方でどれが自分かくらいは分かります。
・・・しかし。
このシーンでは、どれも私の姿はフレームのぎりぎり外側に切れてしまっていました。

う~む。
これは単なる不運なのか、私の格好や演技が監督のお気に召さなかったのか?。
こうもギリギリでフレームから切られてばかりだと、悔しいとか怒るとか以前に気を病んでしまいそうです。

MVより 千早が札ガール?
主人公の千早は、この試合でなぜか詩暢と伊織の試合の大盤係を務めています。
千早はこの大会でクィーン戦に挑んだものの準決勝で伊織に敗れて詩暢への挑戦権を失ったことになっていました。
一年前「ここでまたかるたしようね!」と言いながらその約束を果たせなかった千早に対し、詩暢は「どちらさんでした?」とことさら冷淡に接します。

原作では、2年生時の千早は修学旅行と日程が被ってしまってこの大会には出られなかったことになっていました。
それでも修学旅行先が京都であったことから時間を見て大津まで観戦しに来た、という設定だったはずです。
また詩暢の対戦相手も原作では全く違うキャラクターになっており、クィーンの座を目指す他の女性たちの物語も展開していて読みごたえがありました。
子供を産んで母になってもまだかるたへの情熱を捨てきれない猪熊遥や、師匠や兄弟弟子に土下座してでも精進を目指す山本由美など、千早にも多大な影響を与えていたキャラクターが多数登場していたのですが映画版では全てカットされていたのがとても残念です。
今回の映画版はあくまでも千早たち高校生の物語、それも端沢高校かるた部チームの話に特化しているようです。
限られた時間の中ではそれも致し方ないところですが、千早を取り巻く親や先輩など”大人たち”の姿を撤廃してしまうのはいかがなものかとも思います。

結局、この試合シーンで私が自分の姿を確認出来たのは1カットだけでした。
座り位置が二人の真正面すぎたためか、私の姿は全てのカットでフレームの外に切れてしまっていました。
唯一映っていたのは、自分の足元に弾き飛ばされてきた札を拾い上げる横顔がシルエット気味に小さく映っていたのみです。

【ご一緒させていただいた皆さんのこと】
我々観客役のエキストラはAからDのグループに分けられていました。
撮影内容やカメラアングルによっては出番が無いグループは外のテントで待機となります。
私はこのうちBグループに属していたのですが、31日は我々Bグループのいた場所にカメラを据えて撮影することが多かったらしく一日のほとんどが待ち時間になりました。

そのおかげで同じBグループに所属する皆さんとも打ち解ける時間が持てたように思います。
まず印象に残っているのが、趣味であちこちの映画撮影に参加して回っているという初老のご夫婦です。
『シン・ゴジラ』にも参加されていたそうで、同じ映画に参加した者同士ということもあって色々面白い話を聞かせてくれました。
中でも面白かったのは、蒲田くん登場シーンで必死に逃げ回る役を演じていた時の話です。
「ふと横を見ると大勢のエキストラに混じって庵野総監督が必死に走っていた」そうです。
いいなあ。
私は『シン・ゴジラ』で怪獣から逃げ惑う役に参加できなかったことが唯一心残りだったのですよ。
このご夫婦は時代劇にも多数参加したとの事で、夫婦で足軽や町人の衣装を着けた写真を見せてもらったりして皆で盛り上がっておりました。

他には、エキストラ参加は初めてだというとても陽気なご婦人がいらっしゃいました。
この方は『ちはやふる』の原作漫画のファンとのことで、私は今自分たちが撮っている分がどんなシーンなのかを彼女に教えてもらっていました。

また、これまでにも数多くの映画やドラマに参加してきたというベテランのエキストラさんや、いかにも広瀬すず目当てのコミュ障気味の青年、こうしたエキストラ出演を重ねて経験を積もうとしているらしい女優志望の学生さんたち等々、色々なタイプの人たちとご一緒させていただきました。

エキストラ参加した作品を劇場で観る楽しみの一つは、こうしてお会いした皆さんと映画の中で再会出来ることです。
初めて観た時も、ストーリーそっちのけで背景に映る”自分”と”ご一緒した皆さん”の姿を目で追い続けておりました。

【ネット漏洩事件】
5月31日 ロケ弁
ちなみに5月31日の昼メシはこんな仕出し弁当でした。
残念ながら、エキストラ参加現場ではこんな写真しか撮ることが出来ませんでした。
なぜならば。
この日の撮影現場において、とある大事件が起こったためです。

実はこの日の参加者の中に、撮影中にロケ現場の状況をツイッターで実況し続けていた不心得者がいたのです。
そのツイッター画面をスタッフさんがネット上で発見したとのことで、現場で犯人捜しが始まりました。
私たちのグループはその時外で待機中だったのですが、そこへ血相変えた数名のスタッフさんがやって来て「この中に▲▲▲君は居ますか?。」と怒気を含んだ声で呼び出しを始めたのです。
そして、撮影現場を自分の顔写真入りで得意げにネット実況していた▲▲▲君はそのまま強制退去させられてしまいました。
私もその実況の一部を見せてもらいましたが、「野村周平に”お前カッコいいな”と言われた」とか「監督が半ケツ状態だ」とかまるで子供の悪戯にしか見えない低俗な書き込みが並んでいました。
あれではスタッフさんが怒って当たり前です。
私は▲▲▲君との面識はありませんでしたが、どうやらカメラアシスタント役の一人だったようです。
最初の名人・クィーン位戦シーンの途中で消えたカメラアシスタントに気付けたとしたら、そいつがツイッター野郎の▲▲▲君です(笑)。

映画関係者の情報管制の確度とスピードは本当に凄いものだと思いました。 
現実にこういう光景を見てしまうと、現場で電話を取り出すだけでもスタッフさんの目が気になってしまいます。

【初日は消化不良気味】
『ちはやふる』記念品Tシャツ1
ほとんど出番が無いまま、31日の撮影は陽が落ちる前に終了となりました。
この日もらった記念品がこれです。
劇中に登場する参加チーム名が書かれたTシャツで、複数の色とサイズ違いの中から一枚自由に選ばせてもらいました。
私は(当然)XLサイズを選びましたが、実際にこれを着ることはまずないでしょうね(笑)。

0531 大津駅前
この日(と翌日)の宿泊は大津駅前のカプセルホテル「カレンダーホテル」です。
大津京からは電車移動になりますが、他に安いところが無かったので仕方ありません。

0531 カレンダーホテル・・・?(ここを通り抜ける)
ここを利用するのは初めてでしたが、ずいぶん変わったホテルでした。
フロントに行き着くにはこのフロアを通り抜けなければなりません。
私が到着した時は大勢のお客さんがお食事中で、ホテルへはどう行けばよいのか分からずしばらく入り口付近をウロウロしていたものでした。

0531 カレンダーホテル(カプセル)
ようやくたどり着いたカプセルルーム。
なんだか大阪でいつも利用するアムザさんよりカッコいい気がします。
私はカプセルホテルのこんな隠れ家的な雰囲気が好きなのですよ。
でもお風呂はシャワールームしか無く、ゆっくり湯船に浸かれる浴場が無いのが残念でした。



【6月1日(木)】
この日の服装は前日と同じものでなければならないため、用意してきたスーツや着替えは全部車に置いて身体ひとつで現場入りしました。
この2日間の撮影は「冬の設定」とのことで、エキストラ全員冬服で参加しておりました。
この時期の大津はかなり蒸し暑かったと記憶しております。
私もコールテン生地の黒いシャツとジャケットを着て汗だくになりながら観客役を演じておりました。

集合時間ちょうどに到着して前日と同じBグループの皆さんと顔を合わせました。
ところが、この日はエキストラ担当者の顔色がすこぶる悪いご様子です。
聞くところによると、この日のエキストラの集まりが非常に悪く大幅に人数が不足しそうだといおうことでした。
スタッフさん達はかなり焦っている様子で、来ていないエキストラ一人一人に電話して参加の可否を確かめていました。
結局、この日の参加者は前日の7割程度ではなかったかと思います。
前日と同じ役柄で出るべき人も何人か欠けていて、これでは演出にも影響が出るのではないかと心配になりました。

【演技・・・のようなもの】
しかし、欠席者が多かった分「待ち」ばかりだった前日とは打って変わって出番が増えてやり甲斐がありました。
まずは前日の名人&クィーン戦の続きです。
両者が札を飛ばすたびに「ほぉ~っ」と感嘆の声を上げ、隣の人と「いやあ、やっぱりクィーンとなると違いますなあ」「早すぎて、全然見えませんでした。」などと言葉を交わします。
しかし・・・。
普通に声を出しながら演技するだけならいいのですが、難しいのは「今の会話シーンを今度は声を出さずに口パクだけで演技して欲しい」という要求です。
なるほど、俳優さんのセリフを録るのにエキストラの声は邪魔なのでしょう。
でも、「声を出さずに他人と会話してみせろ」と言われても、お互いが同時にしゃべっていたり逆に両方が沈黙してしまったりして非常に間抜けな画になってしまいます。
ヒソヒソと小声で喋っても、同じ部屋に100人近い人数が居るわけですから結構な音量になってしまいます。
近くにいたベテランのエキストラさんが「表情をおおげさにして手振りを交えるとやり易いよ」と教えてくれて、なんとかこの難関を突破することが出来ました。
(いや、出来たような気がしただけ?)。

あと、監督の「スタート!」まで待たずに「よーい」の段階から演技を始めると良いとも教えてもらいました。
ついギリギリまで合図を待ってしまいがちですが、それでは編集上不自然になってしまいます。
私も仕事で一般の方を撮影する際に同じことをお願いしたことがありましたが、いざ自分が演じる側になると出来ないものですね(笑)

【気になります】
私が撮影中に気になって仕方がなかったのは、TVカメラマン役の人たちの変なカメラの持ち方です。
三脚のパン棒やズームレンズの持ち方が妙な持ち方をしてる人ばかりで、「そんなところを握っていたら咄嗟に被写体を追えないですよ」とアドバイスしたい衝動に駆られておりました。
せっかくエントリー時に「自分は本職のTVカメラマン」とアピールしておいたのに、これではフラストレーションが溜まる一方です。
『マンハント』の時には自分の経験・知識を生かして微力がらも映画に貢献出来たのですが、この現場はとにかく歯痒くて仕方が無かったです。

【あんな役とかこんな役とか】
試合シーンが終わると、今度は出口付近で駆け込んでくる新(演:新田真剣佑)とすれ違うシーンの撮影です。
人混みを押し分けて中に入ろうとづる無礼な若者を「なんや?コイツ」と睨みつけながら出口へ進む一般人の役でした。
その後に原作25巻のこのシーンに繋がります。

原作 0601撮影分・新
引退をほのめかす周防名人に新が挑戦状をたたきつけるシーンです。

原作 0601撮影分
原田先生を支えて部屋を出ようとしてた千早と太一とすれ違いながらも彼等には目もくれず、試合会場の浦安の間へと駆け込む新。
そして名人に対し、「俺が倒しに行く!」と挑戦状を叩きつけます。

「やめないでくれ!」
この時の私は、少し離れた出口付近の廊下から「何事か?」と背伸びして見ている客の役でした。

『ちはやふる』劇場パンフレットより 多分この頭
奥からカメラがこちらを向いているのが分かりましたが、パンフレットにあるこの画面のとおり判別することは難しいです。

もう一つ、二階のロビーで千早がクィーンに「来年ここで一緒にかるたしようね」と声をかけるシーンにも呼ばれました。
私の役は階段に向かって歩きながら「何事?」と二人に目をやる通りすがりの客です。
このシーンでは神戸から来ているという若い男性と協力して、巧く映ることが出来るよう彼女のセリフに合わせて歩き始めのタイミングを測りながら演じておりました。
予想では広瀬すずさんの後ろを我々二人が横切るものと思っていましたが、いくら目を凝らして見ても私の姿は映って無かったです。
でも、一瞬だけ彼女の後ろを通り過ぎた男性の服装は確かにあの時一緒に行動したあの青年のものでした。

【僥倖】
この日は参加人数が大幅に少なかったせいで何度も何度も出番が回ってきました。
そんな中、私は図らずも広瀬すずさんに声をかけてもらえるという幸運に恵まれたのです!。
玄関先で原田先生を両脇から支えて歩く千早と太一の横を通って外へ出ようとする男性客の一人を担当したのですが、この時私は広瀬すずさんのすぐ右となりに配置されていたのです。
私が自分の靴を手前に用意しようとした場所と、広瀬さんが自分の履物を置こうとしたところとが被ってしまいました。
次の瞬間、彼女がニッコリ微笑んで「あ、お先にどうぞ」と声をかけてくれたのです。
これには思わずガッツポーズしてしまいました(笑)。
基本的にこちらから出演者に声かけすることは厳禁なのですが、向こうから声をかけてくれるのは不可抗力ですからスタッフさんも何も言いません。
これには他の皆さんから大いに羨ましがられたものでした。
・・・が、映画本編では(試合シーンと同様)私の姿はフレームから綺麗に外されてしまっておりました。
無念!。

6月1日 ロケ弁(2つ食った)
こちらはこの日のロケ弁当です。
予定より参加人数が大幅に少なくて余ってしまったとのことで、希望者は2個もらえることになりました。
当然私も2つ平らげましたよ。
弁当2個分くらいはタップリ働かせていただきましたから(笑)。

【雨の夜】
予告編より 「好きや」
「千早、好きや。」
夜からの撮影は、突然新が千早に告白するシーンです。
あまりの出来事に千早は目を見開いたまま気を失ってしまいます。
原作単行本の23巻の名場面です。

ごく一部を除いて私たちエキストラの出番はありませんでしたが、実はこの重要なシーンの撮影は参加者全員部屋の隅で見学させてもらっていました。
実はこの日の夕方からは大変な土砂降りになってしまい外での待機が不可能になったため、急遽エキストラ全員が勧学館内部で撮影風景を見学させてもらえることになったのです。
私たちは、本番だけでなくリハーサル中も息を殺しながら若い俳優さんたちの演技をじ~っと見つめておりました。
この直後の広瀬さんの目を見開いたまま気絶する演技も大したものでしたが、私としてはそれを目撃してオロオロする奏ちゃん(演:上白石萌音)が可愛くて可愛くて仕方がありませんでした(笑)。
上白石萌音さんはこれがこの日最後の撮影シーンだったので、監督の「OK!」が出た瞬間我々エキストラ全員から萌音さんに対して惜しみない拍手を送らせていただきました。

ちなみにこのシーン、窓の外が真昼のように明るく輝いていますが実は夜の10時頃に撮影されたものです。

0601 勤学館 照明
全ての窓の外にはこんな風に巨大なライトが設置されていて、常に同じ昼間の状態を作り出していました。
プロの照明さんって本当に凄いです。
(この写真は夕方の空き時間にスタッフさんの目を盗んで撮ったものです(謝))

【夕食】
人手不足もあってか、撮影はその後午後11時過ぎまで続きます。
スタッフさんが緊急で出してくれた夕食がこちら。

6月1日 夕食
吉野家の牛丼弁当です(笑)。
「ショボい晩飯だな~」と思われるかも知れませんが、限られた予算の中から晩御飯を用意してくれるだけでもありがたいものです。
『ちはやふる』のスタッフさんたちは、常に我々エキストラにも気を使ってくれていたように感じています。

【ご褒美】
終電や翌日の仕事の都合などで帰らなければならなくなった人も多く、最後まで残ったのは私を含めて十人ほどだけでした。
その残った者たちには帰り際に大きなご褒美が用意されていました。
撮影終了後、最後まで残った私たちに対して広瀬すずさんと真剣佑さんの二人が直接お礼を言いに来てくれたのです!。
主演女優自らがエキストラに声をかけてくれるなど、滅多に無いことです。
この幸運に感謝しつつ、「すずちゃん、なんていい子や」とひたすらデレデレしてしまいました(笑)。
最後の最後までお手伝いした甲斐がありました。

全てが終わって外に出てみると、雨は降り止むどころか文字通りバケツをひっくり返したような土砂降りと化していました。
これではとても歩いて大津京駅までは行けません。
またもや気を回してくれたスタッフさんが自分たちのホテル行きを遅らせてまで我々をバスで送ってくれました。

『ちはやふる』記念品Tシャツ2
この日の景品は前日と色・デザイン違いのTシャツです。
もしかすると登場するチーム数と同じだけの種類が用意されているのかも知れません。
コンプリートするにはそれこそ全日程に参加しないと不可能でしょうね。

前日と同じカプセルホテルに入り、翌日の撮影に向けて身体を休めました。



【6月2日(金)】
前夜の大雨が嘘のように晴れ上がった翌日。
この日の撮影内容は、前日まで撮っていた二階「浦安の間」での試合の模様を、同時刻に一階の大ホールでモニターで見ている観客の役でした。

原作 0602撮影分 別室・同時刻
原作マンガでいうと単行本23巻のこの場面に相当します。
しかし、試合シーンが原作とは異なる展開になっていたためこのシーンも若干の変更が加えられていたようです。

映画では、壇上には解説役(演:志賀廣太郎)と司会の女性が座っていました。
正面右側の大型モニター画面はあとで試合シーンをはめ込み合成するためにグリーンバックが張られていました。

この日の私の役は、客席で観戦しているスーツ姿の客です。
私の座り位置は会場のあちこちを移動させられた挙句の果てに最後列の通路側になりました。
ふと周りを見渡すと、参加者のほとんどが昨日まで一緒に試合シーンを撮った人たちばかりです。
同じBグループで最後まで頑張った人や、色々アドバイスしてくれたベテランさんもいらっしゃいました。
しかし、これでは二階で試合を観戦している人が同じ時間に別室に居ることになってしまいます。
おそらく前方の列にいる新や瑞沢高校かるた部の面々が中心で、我々エキストラはあまり目立たないように撮るのだろうと考えていました。

それならば仕方がない。
目立たないなりにも精一杯それらしい振る舞いをしてみせましょう。
・・・と、思っていたら、助監督さんから「試合の途中に部屋に入って来る男の役」をやってくれと言われました。
トイレかなにかで席を外して部屋に戻った瞬間、モニターを見ている観客からどよめきが起きて「え?何?何があった?」と隣の人に尋ねるという動きです。
おそらく広いサイズで撮るので顔は関係ないのでしょう。
でも、映りは小さくても動きで私を表現することは出来るはずです。
一緒にこの役を演じることになったベテランエキストラの方に色々アドバイスをいただきながら、私なりに演じてみました。

【声録り】
6月2日 ロケ弁
室内のシーンは比較的早く終わりました。
昼食後は「声録り」です。

「声取り」というのは客のワイワイガヤガヤの声だけを録ることです。
実は前日の撮影途中から物凄い土砂降りになってしまったため、雨の音が入ってしまって録音NGになってしまったのだそうです。
これには顔は関係ないので私も参加させてもらいました。

シーンとしては目人の元へ新が駆け込んできたところで、彼を止めようとする報道関係者とその場に居た客たちのセリフです。
「おい、取材中だぞ」
「なんだこの子は?」
「おい、あれ綿谷新じゃないか?」
「あの綿谷名人の孫の?」
「あれって挑戦状やな」
「名人、声ちっさ」
「名人!もう一度お願いします」
「引退は撤回するんですね?」
・・・と、こんなセリフを各自アドリブで口々に叫んでおりました。

『ちはやふる』記念品Tシャツ3
この日もらったTシャツはこちら。
しかし「愛」って・・・。
53歳のおっさんには酷なデザインですな(笑)。

【判別不能】
ちはやふる-結び- 新の後方にいました(印)
そして、こちらがその場面です。
階下の大ホール(朝日の間)では大勢の観客が集まってモニター観戦が行われています。
同時中継で周防名人の引退宣言を聞いた新は、思いつめた表情で部屋を飛び出し二階の名人のところへと駆け出して行きます。

私は新の奥に座っているスーツ姿の客です。
判別不可能なくらいピントが合っていませんが、この場所にいたことは間違いありません(涙目)。



映画の冒頭シーンでは、内容そっちのけで(笑)自分と当日ご一緒した皆さんの姿を必死に探しながら見ておりました。
しかし・・・。

2カット!?
え?・・・3日間の撮影で2カットですか?。
それも一瞬だけフレームインするシルエット気味の横顔と、顔も判別出来ないほどのピンボケ状態だけとは・・・。
そりゃないっスよ、小泉カントク~!。

まあ、それでも出演場面そのものが丸ごとカットされていた『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』よりははるかにマシだと思うことにいたしましょう。
あの楽しかった三日間がほとんど形に残らなかったのは残念ですが、気を取り直して次の出演場面に望みを繋ぎます。



【6月12日(月)】
6月12日当選メール
数日後、次のロケの当選通知が届きました。
今度も同じかるたの試合シーンのようですが、前回が冬の服装指定だったのに対し今度は夏服で来て欲しいとの事です。
これが映画終盤の全国大会シーンの一部であることは容易に察しがつきました。
参加時間は午前中と午後の班に分かれていて、最終の通知メールで私は午後の部に振り分けられることになりました。

少し早めに到着して受付待ちをしていると、ポンッと突然後ろから肩を叩かれました。
振り向くと、前回の撮影で色々とアドバイスをして下さった先輩エキストラさんのお一人でした。

「あっ、おはようございます!。」
「よう、毎度!」
「●●さん、今日は朝からですか?。」
「うん、でも俺らはもう終わりで君らと入れ替えになるみたいや。」


なるほど。
おそらく同じ部屋を使い、午前と午後でエキストラをごっそり入れ替えて別のシチュエーションを撮るのでしょう。
午後からの同じ班には、やはり前回の撮影でお世話になった別のベテランの方がいらっしゃって、その方ともご挨拶させていただきました。
こうやって何度もお会いしているうちに仲間意識が芽生えていくのでしょうね(笑。)

【よっしゃあああ!】
0612 今回は念願のテレビカメラマン役
早めに来た甲斐あって、この日の撮影ではついに念願のムービー(TV)カメラマン役が割り当てられました。

原作 0612撮影分
この日の撮影は原作単行本30巻のこの場面に相当します。
新が福井で創部した藤岡東高校と前作のライバル校北央学園の団体戦試合で、敵前視察に来た端沢高校顧問の宮内先生(演:松田美由紀)と一年生の花野菫(演:優希美青)が藤岡東高校の実力に驚くシーンです。

余談ですが、藤岡という校名はおそらく福井県一の名門校:藤島高校をもじった名前だと思われます。
もちろん私には縁もゆかりも無い学校ですけどね(笑)。

0612 服装
これは、スタッフさんの目を盗んで撮った当日の私です(お腹の出具合が気になるなあ・・・)。
映画では顔もしっかり映っていますので、『ちはやふる-結び-』の中でこんな格好をしたTVカメラマンを発見したら「ああ、あれがトガジンか」と笑ってやってください。

ええ、そうなんです。
私、映ってます。
本職のカメラマン役で顔もしっかり映ってます!。
真剣な眼差しで地元・福井県のチームとそのキャプテン綿谷新の姿を撮り続けております。
自分史上、最もカッコ良く映画に映らせていただきました。\(^o^)/

『ちはやふる―結び―』メイキングに映ってます!
映画封切り前に発表されたメイキング映像の中にも、ほんの数秒ですが私の名カメラマンぶり(笑)が映っています。
前の撮影でお世話になったベテランの方も、この日初めて会って親しくなった新聞カメラマン役の若い男性も私の記憶どうりの場所に位置しています。
さらに私のすぐ後ろにはこの試合を偵察しに来た宮内先生と菫が立っていて、彼女たちを狙うショットでは手前にいる私もかなりのアップになっていました。
興奮のあまりカット数を確認していませんでしたが、このシーンでは3~4カットはしっかり映っていたと思います。

『ちはやふる』記念品Tシャツ4
ついでに記念品のTシャツも合計4枚になりました(笑)。


ありがとうございます、小泉監督!。
ありがとうございます、柳田カメラマン!。
そしてスタッフの皆さん、一緒に参加したエキストラ仲間の皆さん。
本当にありがとう。
お疲れさまでした!。

そしてご訪問いただいた皆様。
こんな長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
15
2018

週刊映画鑑賞記(2018.4/9~2018.4/15) 『宇宙大怪獣ドゴラ』『悪霊島』『ドラえもん のび太の魔界大冒険』

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品について徒然なるまま書き留めております。

4/12(木)
『宇宙大怪獣ドゴラ』
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
宇宙大怪獣ドゴラ ポスター
待望の復活を果たした日本映画専門チャンネルの「東宝特撮王国」。
その新生ラインナップ第2弾です。

宇宙大怪獣ドゴラ 若林映子
『ドゴラ』は比較対象とすべき以前の録画ディスク(パナソニックのAVCEC)が再生不能になっていたため画質向上の程度は分かりません。
しかし、この若林映子さんの登場シーンを見るだけでも相当気合の入ったリストアであることが分かります(笑)。

宇宙大怪獣ドゴラ 宇宙クラゲ
特撮シーンでも、うねうね動くドゴラの触角がアニメーションであることを忘れさせるくらい不気味さを醸し出していました。

しかし考えてみると、この年の本多・円谷コンビは『モスラ対ゴジラ』(4月)『宇宙大怪獣ドゴラ』(8月)そして『地球最大の決戦』(12月)と3本もの特撮怪獣映画を作っていたのですね。
しかも前年の『マタンゴ』(8月)『海底軍艦』(12月)も合わせると、きっちり4か月おきに5作品を世に送り出していたことになります。

宇宙大怪獣ドゴラ 何故合成?
そのせいでしょうか。
福岡県(筑豊炭田)のシーンでは、やたら実景とブルーバック撮影した俳優との合成ショットが目立ちます。
一作あたり4ヶ月という制作期間では、『ラドン』の時のように現地に俳優を連れて行ってのロケすることは出来ないのでしょう。

宇宙大怪獣ドゴラ 観光客も合成
最小限の撮影スタッフだけで現地に赴き必要なショットを撮って来て、そこに俳優を合成しているようです。
この手法は30数年後の平成『ゴジラ』などでも使われていますが、驚くべきは本作におけるその融合の見事さです。

現地撮影の映像に写っているエキストラと、後から合成した俳優のサイズや目線方向が完全に合っています。
僅かな色味の違いや輪郭部のジラジラ感はあるものの、短いショットだと気付かない場合も多いです。
どんなに合成技術が向上しても、こうした丁寧な演出が施されていなければ映画のリアリティはぶち壊しです。
この画を見ながら『ゴジラvsデストロイア』冒頭シーンの雑な映像を思い出してしまうと、30数年の間に喪われたものの大きさに溜息つかずにはいられません。

ところで、俳優さんといえば・・・
宇宙大怪獣ドゴラ 変な外人
何度見ても、このダン・ユマさんがツボですね~。
(それにしても「変な外人」って・・・)
本作の好評を受けて、このキャラクターが主役のスピンオフ作品も企画されてたらしいです。
また、ダンさんは翌年の『フランケンシュタイン対地底怪獣』のボーエン博士役候補に挙がっていたものの、諸事情によりニック・アダムスさんに決まったという裏話もあります。
ニック・アダムスさんは大好きなので『フランケン~』に関してはOKですけど、ダン・ユマさんにももっと東宝特撮に出て欲しかったなあ。

・・・と思ってたら、本名のロバート・ダンハム名義で『ゴジラ対メガロ』に出てました。

ゴジラ対メガロより 変な外人
「イースター島経由で」

ところで・・・。

5月の『フランケンシュタイン対地底怪獣』『サンダ対ガイラ』は姉妹作。
6月の『キングコングの逆襲』は北極、『妖星ゴラス』は南極と極地繋がり。
7月以降の『美女と液体人間』『ガス人間第一号』は変身人間もので、『海底軍艦』『緯度0大作戦』はスーパー潜水艦。

でも、なんで4月が『ラドン』と『ドゴラ』のカップリングなんだろう?と不思議に思っていました。
対決ものではない単体怪獣作品つながりかとも考えたのですが、今回2週連続で観たことでやっと分かりました。

宇宙大怪獣ドゴラ 炭鉱
石炭繋がりだったんですね。
『ラドン』の時代(昭和31年)には「黒いダイアが待ってるぜ!」とか言われていた炭鉱も、そのわずか8年後『ドゴラ』の時代にはもう廃れ始めていて「今では廃坑になっている区域」もあるとのことです。

新「東宝特撮王国」のラインナップはこんな視点でも楽しめそうですね。



4/13(金)
『悪霊島』
(ホームシアター:日本映画専門チャンネル録画)
悪霊島 パンフ表紙?
公開当時、劇場で観た作品です。
当時は挿入歌としてビートルズの「レット・イット・ビー(Let It Be)」と「ゲット・バック(Get Back)」が使われていました。
その2つの楽曲が語り部である三津木五郎(演:古尾谷雅人)の心情を表現していてとても印象的だったのです。
ところが、なんとこの2曲は版権問題未クリアのまま使用していたとのことで、現在は別人のカバー・バージョンに差し替えられています。

悪霊島 レット・イット・ビー
残念ながら、今回放映されたのもその差し替えバージョンでした。
英語の歌詞が理解出来ようと出来まいと、劇中の演出効果が大きく損なわれたことは私にも分かります。
去って行く金田一耕助の後ろ姿と、そのバックに高らかに流れたオリジナル「レット・イット・ビー」とは一対のものとして記憶していましたから。

悪霊島 志麻さま怖ええ~怖すぎる~
見所はやっぱり岩下志麻さまですね。
綺麗とか妖しいなんて次元を超越した、何か別の存在と化しています。
市川崑監督の金田一シリーズでもここまで妖艶な女主人公はいません。

悪霊島 母娘
あと、一人二役の岸本加世子が可愛い!、とか。

悪霊島 見えそで見えない
見えそうで見えない根岸季衣のミニスカートとか。

悪霊島 志麻さまと蓮司
石橋蓮司とか。

悪霊島 宮川一夫セルフリメイク
撮影が宮川一夫先生だったのですね。
人の腕を咥えた犬(『用心棒』)とか、森の中を歩くシーン(『羅生門』)とかを見ていると、思わず「先生、セルフリメイクを楽しんでますね~」とニコニコしてしまいます。

宮川一夫キャメラマンを「先生」と呼んでしまうのは、宮川先生が私の大学の講師でいらしたからです。
私、大阪●術大学映像学科卒ですから。
一度先生のご自宅にお邪魔して、『羅生門』のNGテイクや編集で捨てられたカット頭やお尻部分を先生の解説付きで見せていただいたことがありましたが、今思えばあればDVDやブルーレイの「オーディオ・コメンタリー」みたいな感じでしたね。

悪霊島 ファッション
ただ、今回観直してみると全般に雑な演出が多いのが気になりました。
例えば、時代が1969年であるはずなのにエキストラの髪型や服装が撮影時(1980年)のままだったことや、重要人物であるはずの妹尾兄弟の紹介シーンが無く彼らが唐突にストーリーに絡み始めるため当惑してしまうことなどです。
このあたりがもっと丁寧に描かれていれば、市川崑版「金田一シリーズ」にも引けを取らない作品になっていただろうと思うのですがね。



4/14(土)
『ドラえもん のび太の魔界大冒険』
(ホームシアター:WOWOW録画)
1984 のび太の魔界大冒険
映画版『ドラえもん』第5作にしてシリーズ最高傑作(と思っている作品)です。
『海底鬼岩城』とも甲乙つけ難いですが、やはりこの作品に散りばめられた「センス・オブ・ワンダー」は数あるSF作品の中でもずば抜けてます。

のび太の魔界大冒険 出木杉君
何が凄いって、まず出木杉君が凄すぎます(笑)。
現代科学や体術・・・つまり勉強も運動も苦手なのび太はなんでも呪文ひとつで叶えられる魔法の世界に憧れます。
そんなのび太に出木杉君は科学と魔法は表裏一体のものであることをとても分かり易く説明してくれるのです。
中世の錬金術ブームで行われた幾多の科学実験から科学というものが発達し、いつしか魔法と呼ばれる迷信は全て駆逐されてしまったのだ、と。
流石は『のび太の大魔境』で航空写真に写る謎の雲を一目見ただけで「ヘビースモーカー・フォレスト!」と見切った出木杉君です。

のび太の魔界大冒険 出木杉君の蔵書
さらに、参考にと彼が本棚から取り出した本にもビックリです。
なんと全部英語なのですよ!。
彼を見ていると、なんだか『ウルトラQ』の一の谷博士の姿が思い浮かびますね(笑)。

のび太たちとはいつも別行動を取っている出木杉君。
自室に籠ってこんな本を紐解きながら、彼は一体何を企んでいるのでしょうか?(笑)。

のび太の魔界大冒険 石化した二人
50歳を過ぎた今でも、この石化したのび太とドラえもんのシーンを見るとゾッとしてしまいます。
子供の頃から藤子作品に親しんでいましたので、「もしもの世界」も「タイムマシンによる多元時間軸」もちゃんと理解出来ます。
ですが、そこに魔法も絡めると一気に不気味な世界に変貌します。

この感じ、最近何かで見たことあるな・・・と思ったら。

魔界大冒険とハリー・ポッター
『ハリー・ポッター』シリーズがこれに近いことに気が付きました。
そういえば、第3作『アズガバンの囚人』には逆転時計というアイテムで過去に戻るシーンもありましたっけ。

魔界大冒険とあの人
そして、ラスボス”名前を言ってはいけないあの人”の秘密。
彼は自分の心臓だけを別の場所に隠すことで不死身の身体となっていたわけですが・・・。

のび太の魔界大冒険 大魔王
これって、『魔界大冒険』の大魔王とまるっきり一緒じゃないですか。
J. K. ローリング先生、あんたまさか・・・?。

のび太の魔界大冒険 主題歌「風のマジカル」
今度のWOWOW放映版は、エンディング曲がオリジナル通りの「風のマジカル」(唄:小泉今日子)に戻されてたのが嬉しかったですね。
私が初めて『魔界大冒険』を観たのは最初のテレビ放映でしたが、その時は劇場公開そのままのエンディングでした。

ところが、後にビデオ化された際には版権問題にでも引っかったのか前々作『のび太の大魔境』の「だからみんなで」に差し替えられてしまっていたのです。
大人の事情で作品と一体化していた歌曲を強制的に変えられたために映画の視点が大きく狂ってしまいました。

のび太の魔界大冒険 美夜子(猫)
敵に追い詰められ、のび太を逃がすため囮になってくれた美夜子。

のび太の魔界大冒険 泣くな男の子
彼女に命を救われたのび太は泣きながら「必ず助けに戻るからね」と誓います。
そして、ドラえもんとドラミちゃんの力を借りながらも仲間を救い出し魔法世界の地球を救ったのび太。
その彼に贈られるべき歌はやはり「風のマジカル」のほうがふさわしいと思うのです。

風のマジカル
(作詞: 湯川れい子/作曲: NOBODY)

そうよ ざわめきの中 Spring Time
季節が変る Spring Time
少年はアポロになるのね
そして まばたきひとつ Spring Time
風のマジカル Spring Time
危なさが かすんで見えない
ね,キスして


しかし、エンディングが差し替えられたバージョンは観終わった後に受ける印象がまるで違います。
「だからみんなで」はのび太の視点で勇気を語る歌ですが、「風のマジカル」は大人の女性である美夜子から子供たちへのエールです。
『のび太の魔界大冒険』は単に「大人の鑑賞に耐える」作品だけでなく、「大人の目線でのび太の頑張りと成長を優しく見守る」映画だったはずなのです。

大人の都合でエンディングを変更をしたため作品の軸がブレてしまった『のび太の魔界大冒険』が、ようやく本来のイメージで鑑賞出来るようになりました。
前日観た『悪霊島』がオリジナル主題歌を差し替えられたバージョンだったこともあり余計に嬉しかった部分です。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。

Tag:空の大怪獣ラドン

12
2018

私のオーディオ・ビデオ遍歴① ~全ては『ヤマト』から始まった~

トガジンです。
春ですねぇ。
春と言えば新企画です。

・・・というわけで、新しく始めたこの「私のオーディオ・ビデオ遍歴」シリーズ。
中学時代から現在に至るまでの約40年間、私が愛用してきたAV機器たちの思い出に沿って複数回に分けて書き綴っていこうというものです。

きっかけは、他人様のホームシアター関係のブログやHPをあれこれ見て回っているうち、以前私が愛用していたビデオデッキの記事を見つけた時でした。
なんjかもう、無性に懐かしさがこみ上げてきてしまいました。
それと同時に、「かつての自分の愛機たちについて書き綴っておくことは、そのまま自分史としても成立するんじゃないか?」と考えたのです。

古すぎて記憶がはっきりしなかったり、メーカー自体が無くなっていたりしてスペック情報はおろか画像すら見つからないような製品も多々あります。
そんなこんなで調査・確認に難儀しているため不定期連載となりますが、少しづつゆっくりと書き進めていきたいと思っています。


一回目は音楽再生に興味を持ち始めた中学時代を振り返ります。



昭和52年、史上空前のアニメブームが沸き起こりました。
その牽引車がこの『宇宙戦艦ヤマト』であったことに異議を唱える者はいないでしょう。

劇場版「宇宙戦艦ヤマト」ポスター1
夏には(福井では1カ月遅れの9月公開でしたが)TVアニメを再編集した劇場用映画が公開されました。
私も中学に入って知り合ったアニメ・SF好きの友人T君と連れ立って観に行っています。
新聞広告ではまるで全編新作映画みたいな宣伝文句だったのに実際はTVシリーズと同じ映像でガッカリしたものの、それでも劇場の大スクリーンで観る『宇宙戦艦ヤマト』は十分過ぎるほどの迫力がありました。
不満と言えば冥王星基地攻略がかなり駆け足気味だったことと、アナライザーのスカートめくりが全部カットされていたことくらいです(笑)。

交響組曲『宇宙戦艦ヤマト』帯は無い
そして年末には『ヤマト』のサウンドトラック盤が発売になりました。
「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」です。
これこそが私が自分で買った初めてのレコードであり、現在のAV(オーディオ・ビジュアル)趣味への出発点でした。

交響組曲『宇宙戦艦ヤマト』今も手元に 
このレコードはそれこそ猿のように何度も何度も繰り返し聴いたものでした。
アナログレコードはほとんど全部売却処分してしまいましたが、再生環境が失われた今でもこのLPだけは手元に残しております。



【購入時期不明(70年代初頭?)】
■ポータブル・レコードプレーヤー
ビクター:SPE-8200(多分) 価格不明
1977 PLAYER
何度も何度も繰り返し聴いた「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」でしたが、その再生に使っていたのは実はこんなプレーヤーでありました。
私が小学校に上がる頃から家にあったポータブル・レコードプレーヤーです。
ただし、(写真と型番はビクターのものを載せていますが)本当にこの製品だったかどうかは記憶に自信がありません。
調べてみたところ、ナショナル(現:パナソニック)やコロムビア(現:DENON)からもよく似た形状で同じコンセプトの製品が売り出されていたみたいです。
ただ、ボリュームが左右に独立して付いていたことと、赤と白のツートンカラーであったことだけは覚えていますので多分これだと思っています。

幼い頃は、祖母に買ってもらったドーナツ盤(童謡や『仮面ライダー』等の主題歌)や雑誌に付いていたソノシートをこれで聴いていただけで十分満足していたと思います。
しかし、同じ趣味を持つ友達が出来た多感な中学生がいつまでもこのオーディオ環境に満足していられるはずはありませんでした。



【昭和53年4月】
■ラジカセ
シャープ:GF-303 69,800円
1978 GF-303SB
中学二年の春、親にねだって買ってもらったのがこのGF-303SBです。
シャープ「ザ・サーチャー」シリーズの最上位ラジカセ(当時)で、実売価格で6万円近い多機能機でした。

ただし、全額を親に出してもらったわけではありません。
一緒に買いに行った母は最初モノラルの小さいものでいいだろうと思っていたらしく、息子が欲しがっていたのがこんな大型の多機能ラジカセだと知って相当びっくりしていました。
「こんな高いもん、あかん!」
「いや、これでないと意味ない!」
押し問答の挙句、母は「お父さんにも相談せな」と言い出す始末です。

大人の目から見れば単なる玩具に過ぎないラジカセの話です。
このまま帰って父や祖母まで話に割り込んできたら、高額なラジカセの購入など却下されることは目に見えています。
焦った私は「小型ラジカセの値段分だけ出してくれればあとは俺の貯金(お年玉を貯めたお金)で払うから。」と半ば強引にGF-303SBを手に入れたのでありました。

1978 GF-303SB 拡張性
私がこうまでしてこの高額機種にこだわるのには理由がありました。
GF-303は音声ライン入出力や外部スピーカー端子、更にはレコード・プレーヤー端子まで装備した非常に多機能なラジカセです。
つまり、このラジカセに市販のプレーヤーを繋ぐことで一般のオーディオアンプと同じようにレコード再生とテープ録音が可能になるのです。
昭和53年当時は、こういった多機能で大型スピーカーを備えたラジカセが流行っていたのです。

中学生の身分ではシステムコンポやアンプ&スピーカーといった単品コンポを買い揃えるなど夢物語でしかありませんが、このGF-303を核にして一品ずつグレードアップしていくことは十分可能です。
それを単なるモノラル・ラジカセにされてしまっては元も子も無くなってしまうのです。
家に持ち帰ったGF-303の威容を見て驚いた父に私のこの遠大な計画を説明したところ、「ふ~ん、そういうことならまあいいやろ。」と拍子抜けするほどあっさり認めてくれました。

この年に買ったサントラ盤
その日から、買ったレコードを直接聴くときはポータブル・プレーヤーで再生し、友達のT君にそのレコードを貸す代わりに彼の家のオーディオ・コンポでテープに録音してもらうという状況が始まりました。
「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」はもちろん、その後買った『スター・ウォーズ』『さらば宇宙戦艦ヤマト』『ルパン三世』のサントラなども、買ったレコードを聴くのは最初の一回限りで後はT君宅でダビングしてもらったテープのほうばかりを聴いていたものです。
お返しとしてT君も自分が買ったレコードをテープにダビングしてくれましたから、カセットテープライブラリーは増えていく一方でした。

また、この時の想定外の出費は私に思わぬ初体験をもたらすことになりました。
1978年の夏には『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』『さらば宇宙戦艦ヤマト』といったSF映画が続々と公開されることになっていましたが、私はラジカセを買うために貯金の全てを使い果たしたためこれらの映画を観に行くことが金銭的に難しくなってしまったのです。

そこで、クラスメートの一人が町の観光名所:東尋坊の土産物店の息子であったことから、彼の口利きでゴールデン・ウィークの6日間(休日のみ)お店の手伝いをすることになりました。
これが私の人生初のアルバイトです。
仕事内容は主に焼きイカ売りと客の呼び込みでした。
前年まではその友達と彼のお兄さんとでやっていた仕事でしたが、お兄さんが進学で家を出てしまったため人手が足りなくなってしまったのだそうです。
元々人怖じしない性格の私はすぐに慣れて、終日声が枯れるまで大声を張り上げておりました。

学校はアルバイト禁止だったため内心ヒヤヒヤしながらではありましたが、これはこれでとても新鮮な体験でありました。
どうやら大声が好評だったらしく(笑)、夏休みにもその土産物店が経営する浜茶屋の貸ボートのアルバイトに誘ってくれましたが、部活があることと海水浴場では学校にバレる恐れが大きいことから断腸の思いで断りました。



【昭和55年1月】
■レコードプレーヤー
パイオニア:PL-1050W 29,800円
1979 PL-1050W レコードプレーヤー
「そろそろ、ちゃんとした自分のレコードプレーヤーが欲しい」と思っていた私は、正月に貰ったお年玉を使ってようやくこのパイオニア製レコードプレーヤーを購入しました。
実はシャープからもオプションとして純正のプレーヤーが売られてはいましたが、この頃の私はもっと本格的なオーディオ・メーカーの製品に憧れを持つようになっていたのです。

PL-1050にはブラックタイプも用意されていましたがあえて木目調のほうを選びました。
今後アンプやスピーカー等も少しづつ買い揃えていって自分なりのオーディオ・コンポを組むことを夢見ていた私は、その中心に位置するレコード・プレーヤーは絶対に木目調であるべきだと何故か強く思い込んでいたのです(笑)。

また、自分用プレーヤー購入によりT君にレコード盤を貸すことは無くなりましたが、カセットへのダビング交流は変わらず続いていてお互いソフト面での出費を抑えることが出来ていました。

音楽嗜好の多様化
この時期の私は、次第に映画やアニメのサントラ以外にも音楽の興味が広がっていきました。
『銀河鉄道999』や『西遊記』で興味を持ったゴダイゴ、前年に解散したキャンディーズのライブアルバム、そして洋楽アルバムとしてABBAなども買うようになっていったのです。

プリプリ「ダイアモンド」EP盤
PL-1050Wは、その後何度か針やベルトを交換しながら結局10年近く愛用し続けることになりました。
最後に買ったアナログレコードは当時大ファンだったプリンセス・プリンセスのシングル盤『ダイアモンド』です。
もちろん先にシングルCDも買いましたが、歌詞の中の「♪針が下りる瞬間の胸の鼓動を抱きしめろ」を聴いてるうちにどうしてもアナログ盤で聴きたくなってしまったのです。

晩年はほとんど置き物状態になっていましたが、私が所有したレコード・プレーヤーはこのPL-1050Wただ一台だけでありました。
いつの間にかモーターが回らなくなったため粗大ごみに出してしまいましたが、今そのことを思うとなんだか心が痛むのです。
お飾りでもいいから手元に置いてさえおけば、修理して再び使う機会もあったんじゃないか?、と・・・。



【昭和55年4月】
初アルバイトの思い出が詰まった多機能ラジカセ:GF-303SBでしたが、わずか2年後の春に思わぬ形で壊れて・・・いや、壊されてしまいました。
父が「会社の宴会の余興に使うから貸してくれ」と持ち出していったのですが、翌朝戻ってきた時には見るも無残な姿に変わり果ててしまっていたのです。

チューニング・ダイヤルとFMアンテナの片方、そしてカセットデッキの蓋が取れて無くなっていました。
それだけではありません。
全体からプ~ンとお酒の臭いがしてボディ全体がベトベトに濡れていたのです。

父の話では、酒に酔った社員同士が喧嘩を始めてしまい、その巻き添えでこんなになってしまったとのことでした。
口論の途中で逆上したY島氏がたまたま彼の足元近くで音楽を奏でていた私のGF-303を腹いせに投げつけたところ、それがビールを運んできた仲居さんにぶつかって全部のビールがモロにラジカセにかかってしまったとのことでした。

恐る恐る電源を入れてみると、通電はするもののチューニングダイヤルがないため選局が出来ず、左スピーカーからはサーノイズすら聞こえません。
カセットテープを入れてみようにも内部までビールで濡れているため動作確認も出来ません。

その週末、酔っぱらって私の大事なラジカセを壊したY島さんが「申し訳ありませんでした」と頭を下げに来ました。
そしてそのまま、Y島さんが全額を支払うということで父と私とY島さんの3人で新しいラジカセを買いに行くことになったのです。
Y島さんは父の後輩ということもあって大人しくしていましたが、私としては実になんとも居心地の悪い買い物でありました。

■ラジカセ(2台目)
シャープ:GF-508 89,800円
GF-508.jpg
GF-303は既に生産終了していたため、後継機であり当時の最上位機種でもあるこのGF-508を買うことになりました。
(↑のカタログ写真はシルバーですが、私が買ったのはブラックです)
GF-303の機能と拡張性は全て継承されていて、もちろんPL-1050Wも接続可能です。
アンプ出力もスピーカーも大幅に強化されていて、前の303より明らかにパワフルな音を聴かせてくれるマシンでした。

値段的には前の303よりも2万円ほど高くなってしまいましたが、自分が悪いと分かっているY島さんは一言も文句を言わずに代金を支払ってくれました。
普通に考えればこれは「得をした」と喜ぶべきことなのかも知れません。
しかし、303を買うために初めてアルバイトした思い出の事を考えると、私にはそれほど嬉しいとは感じませんでした。


それよりも。
私はこの時、店頭で見たある別の機械のことが脳裏に焼き付いて離れなくなっていました。
その機械が接続されているテレビの画面には、もうとっくに終了したはずの春の選抜高校野球の試合が映し出されていたのです。

そうです。
SONY ベータマックス
家庭用ビデオデッキです!。



今回はここまでといたしましょう。
お付き合いいただきありがとうございました。

次回は、ビデオのお話です。
ベータか?
VHSか?。
いや、そもそも我が家の家計でこんな贅沢品が許されて良いのか?
そして、家族会議の末に訪れた意外な結末とは!?。