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映像学科22番

映画と日常

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週刊映画鑑賞記(2021.3/1~2021.3/7)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

先週WOWOW-4Kと日本映画専門チャンネル4Kの受信対応を完了しました。
でも、放映されているタイトルはまだ全然物足りないですね。
日本映画のほうは週末に『ゴジラ』リアル4K放送があるのでいいですが、WOWOW-4Kは『相棒』劇場版とか山田洋二監督の旧作がメインで「4Kならでは」な映画作品がほとんど無いのが現状です。
(でも『徳川女系図』とか『徳川セックス禁止令 色情大名』のエロ時代劇を4Kでやるのはある意味攻めてるかも?。)

結局、記念すべきWOWOW-4K開局日にはBSプレミアムの大長編日本映画を観ておりました(笑)。



3/1(月)
『黒部の太陽』🈠
(ホームシアター:BSプレミアム)
『黒部の太陽』ポスター画像
「世紀の難工事」といわれた黒部ダム建設を描いた日本映画史に残る大作映画。
恥ずかしながら今回が初鑑賞です。

『黒部の太陽』制作発表
石原裕次郎x三船敏郎(敬称略)という、当時の日本映画界トップスター二人のダブル主演作品。
お二人とも独立プロダクション経営者なので製作も兼ねています。
当時裕次郎は日活から独立したものの、五社協定などという狭量極まりない因習のためなかなか思うように映画を作れずにいたそうです。
特に陰険だったのは古巣の日活で、、出演予定の俳優に脅しをかけたり関西電力に「そんな映画に協力するのはおやめなさい」などと横槍入れて妨害してきたというのは有名な話です。
(モノ作りする会社としては実に腐りきった根性で、こんなだから数年後ポルノに堕ちて倒産したのでしょう。)

多大な困難を乗り切って映画を成功させた石原裕次郎と三船敏郎という二人の映画人(俳優としてよりもプロデューサーとして)の熱い想いが詰まった作品です。
今までこの作品を食わず嫌いしてきた自分を恥じ入るばかりであります。

関電トンネル(破砕帯付近)
映画『黒部の太陽』は、ダム建設に必要な資材・重機・そして人材を運ぶための工事用トンネル作りの話でした。
15年ほど前に妻と二人で黒部ダム見物に行ったことがあってその時このトンネルをバスで通った覚えがあります。
もしそれ以前に『黒部の太陽』を見ていたならら、この関電トンネルをバスで通ったときにもっと感慨に耽ることが出来たのではないかと思います。
また、現在は黒部ダムの敷地内にトンネル工事場面のセットのレプリカが置かれているそうです。
黒部の紅葉は本当に奇麗でしたから、コロナが収まったらもう一度行く価値はあると思います。

『黒部の太陽』三船敏郎
三船が演じるのは黒部ダム建設担当を拝命した関西電力社員:北川という人物です。
途中、長女が下請けの若い監督(裕次郎)と結婚したり次女を白血病で失ったりと、日本映画伝統の昔ながらのドラマチックな展開も用意されてはいますが、こんな茶番は必要ないくらい人物像がしっかりしていました。

『黒部の太陽』石原裕次郎
一方の裕次郎は、昔ながらの根性論で闇雲に働く土建屋の父に反感を抱く若い下請け業者の役でした。
三船に比べると見た目も言動もやや青臭く、扱いも新世代のヒーローっぽいイメージだったのが気になりました。
終盤、トンネル開通直後の祝賀シーンでまき子夫人が場違いな恰好で突然登場したのには少し萎えました。
トンネル工事現場の最深部にあんな綺麗な服装の事務の女性が入れるとは思えません。
あれが裕次郎サイドの要求だったのかスタッフ側の忖度だったのかは分かりませんが、この映画唯一のマイナス点でした。

『黒部の太陽』石原裕次郎&三船敏郎
終盤で三船演じる北川の長女と結婚し、三船を「お義父さん」と呼ぶシーンがあります。
終戦直後から日本映画界を支えてきた三船敏郎と、その次の世代の大スター石原裕次郎が義理の親子となるこの映画には、黒部ダム建設で破砕帯を突破するという難工事を描くその裏側で五大映画会社が牛耳る日本映画界に風穴を開けようとする二人の連携意識も見え隠れします。

『黒部の太陽』実名
この映画では関西電力だけでなく下請け会社がすべて実名で登場していることに驚きました。
会社名が実名であることによりリアリティが増幅している気がします。
特に裕次郎が属することになる熊谷組という会社は福井県の会社なので見ていて思わず背筋を正してしまいました。
当時の熊谷組社長の熊谷太三郎という人物は、その後国会議員に当選し科学技術庁長官や原子力委員会委員長を歴任してやがて高速増殖炉もんじゅの建設を推進した人です。
現在福井県若狭湾沿岸部が14基もの原発が集中する”原発銀座”となったのは、この映画に登場する熊谷組や関西電力と決して無関係ではありません。
そんな側面もあって、福井県民としてはまた違った面白さが見出せました。

あと、映画とは直接関係ないですが・・・。
富山のブラックラーメン
黒部ダムといえば、私は富山名物の超絶しょっぱいブラックラーメンを思い出します。
元祖を名乗る富山駅近くの店で食べたのですが、これがまたとんでもない塩分量で白ご飯と一緒でなければとても食えません。
私は普段ラーメンの汁の一滴まで飲み干す主義なのですが流石にこれは飲めませんでした。
台湾ラーメンなど辛いもの好きな妻も「これは無理!」と半分以上残してました。

店に置かれていた資料によると、なんでもブラックラーメンは黒部ダム建設に従事する肉体労働者たちのエネルギー(炭水化物)と塩分補給のために考え出されたメニューだったそうです。
意外なところにダム建設時の残光を見た気がしました。



3/6(土)
『ゴジラ』(リアル4K放送)
(ホームシアター:4K日本映画+時代劇専門チャンネル)
『ゴジラ(1954)』ポスター画像(横)
この放送がなければ急いでアンテナ交換までして4K受信対応することはなかったと思います。
これから半年間、日本映画専門チャンネルがその名にかけて世に送る「ゴジラシリーズ最恐画質連続放送」。
その第一弾、昭和29年公開の第一作『ゴジラ』です。

リアル4k『ゴジラ』の一場面
リアル4Kで見る初代『ゴジラ』は陰影とデティールがくっきりしたことで画面の奥行き感が今まで以上に感じられ、またゴジラ自体も生物感が増していました。

リアル4k『ゴジラ』人物の表情
リアル4Kによって見え方が違ったのは、特撮シーンよりむしろ俳優さんの日常芝居のほうでした。
特に目元のデティールが向上したことで細かな表情の変化まで読み取れる気がします。
特に芹沢博士が少女合唱団の歌声を聴いてオキシジェン・デストロイヤーを使うことを決意する瞬間の表情に、「ここで覚悟を決めたのだな」と実感して思わず身体が震えたほどでした。
画面の隅々まで、特別に見ようと意識せずとも自然に目に入ってくるという感じで、その分場面の情緒に浸りきることが出来た気がします。

リアル4k『ゴジラ』ウォーターマーク
一つだけ残念なのは、常に画面右下に出ているウォーターマークがやたら目立つことです。
日本映画専門CHだけならコンパクトでそれほど気にならなかったのですが、チャンネル二つ分の大きさがあるのと時代劇CHのロゴはデザインに顔が含まれているため気になって仕方ありません。
改善を希望します。

日本映画専門チャンネル「ゴジラシリーズ最恐画質放送」
今回の「ゴジラシリーズ最恐画質連続放送」で個人的に楽しみにしているのは、実は9月放送予定の『ゴジラ対ヘドラ』です。
もちろん、私が映画館で見た最初の映画ということもありますが、この作品も4K化したということはその後に続く『ガイガン』『メガロ』『メカゴジラ』(二部作)もいつかは高画質で見られる日が来るはずだということなのです。

あと、『モスラ対ゴジラ』『地球最大の決戦』『怪獣大戦争』『怪獣総進撃』の4本については、東宝チャンピオンまつり用に再編集された際にカット部分のオリジナルネガを紛失してしまっているそうです。
(東宝さん、映画で食ってる会社としてそれはいかがなものでしょうかね?)
そのため、東宝チャンピオンまつり版ならオリジナルネガがあるので高画質化リマスターが可能(以前日本映画専門CHでリマスター版を放送していた)でしたが、オリジナル全編となると一部ネガが無いためポジフィルムからのリマスター作業になるため非常に困難なことと思われます。
それら4本の画質についても今から興味津々といったところです。



『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)
『ウルトラセブン』4Kリマスター版放送
昨年秋から半年間、週に2話づつ放送されてきたBS4K『ウルトラセブン』もいよいよ大詰め!。
今週はオーラス(最終話)前の2本ですが、どちらも肩の力を抜いて楽しめる作品です。

第46話「ダン対セブンの決闘」
#46 にせウルトラセブン
<あらすじ>
伊良湖岬一帯の不穏な動きを察知した防衛軍は調査を開始。
おりしもダンとアンヌが目をつけた「水中翼船の女」こそ侵略者サロメ星人の一人であった。
彼女はダンを誘い出して拉致・監禁する。
彼らの目的は「ウルトラセブン」であった。
ダンから自白させたウルトラビームの秘密を組み込まれたセブン型ロボットが今、出撃する!


#46 ハイドランジャー
冒頭、ハイドランジャーが何者かに撃沈されます。
「ノンマルトの使者」の衝撃がまだ残っていたため、ふと「ノンマルトの復讐?」みたいな錯覚を覚えました。
だって、ハイドランジャーはノンマルトを直接攻撃して全滅させた艦なのですから。

#46 ホテル松風園
今回は愛知県・伊良湖周辺が舞台。
やはり愛知&岐阜ロケ作品だった『恐怖の超猿人』と監督・脚本家が全く同じなので、おそらくこの2話は同時に撮影されたものと思われます。
最終回が近いことから、もしかするとロケと慰安旅行も兼ねていたのかも知れません。

#46 松風園のタコさん風呂
伊良湖周辺を調査するダンとアンヌ。
やはり「恐怖の超猿人」と同じくタイアップ先への感謝シーンが半端ないです。
アンヌは怪しい女を探してホテル内を歩き回りますが、大人の女性が入りたがるような場所ではなくなぜかタコ風呂とかすべり台が付いたお風呂といった視聴者(子供)が喜びそうな施設ばかり(笑)。

#46 松風園の浴場
多分スタッフ・キャストの皆さんはこのホテルに安く宿泊していたのでしょうね。
ちなみにホテルの名は松風園。
現在も愛知県蒲郡三谷温泉内の一軒として絶賛営業中とのことです。

#46 サロメ星人たちと
サロメ星人に捕らえられたダンはにせウルトラセブンを見てビックリ!。
自分自身と同じ姿をした奴が目の前に出てきたらそりゃ驚きますよね(笑)。

#46 囚われのダン
手元にウルトラアイが無いため焦るダン。
「盗まれたウルトラアイ」以来ですが・・・最終回直前でまだこのネタやりますか?。
しかも今回はウルトラアイを車の中に置き忘れたって・・・。
もう今更だけど・・・「大事なものは肌身離さず持っとけよ。ダン!」

#46 にせセブンvsアギラ
アギラとにせセブンの戦いはどこかコミカルなものでした。
特ににせセブンはロボットのくせに妙に人間臭い仕草を見せてくれます。

#46 セブンvsにせセブン
そして本物セブンとにせセブンの戦い。
製作費を最終回のためにとっておきたいのでしょうね。
セットではなく屋外の岩場を山はだに見立てて撮影しています。
そのため巨大感がまるで感じられないのが残念です。

にせセブンの最期は直接的な描写はありませんでした。
たとえ偽物といえど、セブンの姿をしたものが爆発したりましてやアイスラッガーで首チョンパなんてことになったら子供たちに大変なトラウマを受け付けてしまうでしょうから。

第47話「あなたはだぁれ?」
#47 フック星人の陰謀
<あらすじ>
団地に住むサラリーマン・佐藤は酔って帰宅した深夜、家族や隣人から「誰なのか知らない」と言われ途方に暮れる。
やがて彼の姿は消えた。
佐藤からの通報を受けていたウルトラ警備隊は調査に乗り出す。
ダンとフルハシはフック星人が夜な夜な住民を建物ごと入れ替えて団地を宇宙人居住区にしようと企てていることを知る。


#47 あなたは誰?
異次元世界?。
何らかの国家的陰謀?。

#47 誰も知らない
まあ、『ウルトラセブン』の一遍なので宇宙人の侵略計画の一環なのは分かっていますが、それでも冒頭の不気味にさは背筋が冷えます。
お巡りさんもお隣の太ったおばさんも町内会長さんも、そして佐藤の奥さんも・・・。

#47 60年代の団地
どこか『第四惑星の悪夢』に近い感覚を覚えます。
そういえば脚本家も『第四惑星』と同じ上原正三さんです。
もしかすると『第四惑星』の人間が住んでいた団地と同じ場所で撮影されたのでしょうか?。

安藤達己監督はこれまで助監督として『セブン』を支えてきた方で、本作が監督デビューだそうです。
「(お金が無いから)極力特撮パートを少なくしろ」と命じられたそうですが、「むしろその方が人間ドラマをしっかり描ける」と喜んだという実にポジティブな監督さんです。

#47 三條美紀さん
佐藤の奥さん役は『静かなる決闘』で三船敏郎の婚約者役を演じた三條美紀さん。
特撮ものだと『ゴジラ』と同じ年に公開された『透明人間』のヒロイン役がありました。
お?、今週の記事は三船・ゴジラ・ウルトラセブンが三條美紀さんで一つに繋がりました!(笑)。

#47 小林昭二さん
そして今回のメインゲストは小林昭二さん!。
特撮ファンならば知らない人はいない筈です。
もしいたとしたら、そいつはフック星人に違いない!。

科特隊キャップ、SRIに難儀を持ち込む町田警部、昭和ライダー達のおやっさん。
あと、「ダイゴロウ」の小役人も忘れ難いです。
70年題は市川崑監督の金田一シリーズには色んな役で出演してましたが、そのうち2本で三條美紀さんと共演しています。
そして、平成ゴジラには内閣安全保障室室長役、遺作がなんと『ガメラ2 レギオン襲来』!。
日本の代表的な特撮作品のほとんどに出演されている俳優さんで、私の記憶にはこの方の姿・セリフ・行動が遺伝子レベルで刻み込まれているのです。

#47 キャップとアラシ
相手が小林さんということもあってか、今回ダンと組むのは元『ウルトラマン』のアラシ隊員・・・とは別人のフルハシ隊員。
退官して一般市民になった元上司を守って戦うアラシ・・・みたいにも見えてなんか楽しくなってくる絵です。
今回特撮シーンは少ないですが、その分役者さんたちが楽しんで演技していることが伺えます。

#47 二人の昭二
そしてウルトラ警備隊隊長と科特隊キャップの夢の競演!。
奇しくもお二人のアンダーネームは字まで同じ”昭二”です。

ところで、小林さんと中山さんとはプライベートでも交流はあったのでしょうか?。
『帰ってきたウルトラマン』の加藤隊長を演じた塚本信夫さんは小林さんの後輩だったそうですが・・・。

#47 ラストは全員の笑顔
ラストはダンも含めたウルトラ警備隊6人の満面の笑顔で終わります。
これは視聴者に対してだけでなく、ある意味出演者たちにとっても最高のサービスショットだった気がします。

次回は最終回。
ダンが彼らの元から永遠に去っていくお話です。



今年から変わった確定申告書
現在、確定申告の準備で領収書の山と格闘中であります。
今年から申告書の様式が少し変わったらしく、控除分をどこに書けばいいのかよく分かりません。
あと、昨年は持続化給付金をもらっているのでそれもどこにどう書けばいいのやら・・・?。
締め切りまであと一週間。
来週は家でゆっくり映画を見る時間はなさそうです・・・。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。
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週刊映画鑑賞記(2021.2/22~2021.2/28)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

今週も『ウルトラセブン』記事だけになってしまいました。
他の映画を見る時間が全く無かったわけではありませんが、今週の休日と空き時間は全てBSアンテナとその配線周りの交換と今回のブログ執筆に費やしてしまいました。

だって、今週の『セブン』は先週悪天候のため見られなかった第42話と第43話も含めて4話分あり、しかも『ウルトラセブン』のイメージを決定づけた傑作揃いだったりするのですから。

※2021年3月3日午後3時「ノンマルトの使者」の項に加筆・修正を加えました。
ただでさえ長い記事がさらに長くなってしまいましたが、読んでいただけましたら幸いです。




『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)
『ウルトラセブン』4Kリマスター版放送
私が初めて『ウルトラセブン』に接したのは保育園の時でした。
もちろん、まだ5~6歳だったので興味あるのはセブンやウルトラ警備隊が戦う場面だけでストーリーに関しては何一つ覚えていません。
そんな私が『セブン』の内容の深さに気が付いたのは中学3年生の時。
昭和59年、突如第3の怪獣ブームが巻き起こり『ウルトラ』シリーズや『仮面ライダー』シリーズの一挙再放送が始まったのです。
『セブン』が始まったのは同年9月からでその時はもう部活(陸上)は引退していたこともあり、毎日夕方の再放送を欠かさず見ることが出来ました。

中学3年生(15歳)という最も多感な時期に『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラセブン』を本腰入れて見てしまいました。
当時流行っていた海外のSF映画と較べても(映像面は別として)内容においては決して勝るとも劣らない見応えあるものが多く、10年以上も前の作品とは思えませんでした。
その精神的影響はとてつもなく大きいものであり、ただでさえ脱却し損ねていた中二病を更にこじらせてしまう結果となりました。

そんな中、シリーズ最大の問題作「ノンマルトの使者」とSFマインド炸裂の「第四惑星の悪夢」に出会ってしまったのです。
厳密には初めての出会いではないですが、保育園のときとは見え方も受け取る内容もまるで別のものでした。

第42話「ノンマルトの使者」
#42 オカリナを吹く少年
<あらすじ>
休日に海水浴を楽しんでいたダンとアンヌの目前で、海洋開発センターの海上基地・シーホース号が爆沈した。
直前に事件を予告してきた少年を探す2人。
やっと見つけ出した少年・真市は、地球の先住民ノンマルトがこの事件を起こしたと語る。
現在の地球人は、かつてノンマルトを海底に追いやり地球を我がものにした侵略者なのだ、と・・・。


#42 謎の少年とアンヌ
休暇を取っていたアンヌは海底開発センター近くの浜辺でバカンス中。
この時、正体不明の少年から「シーホース号が大変なことになる」と告げられます。

#42 ダンとアンヌ
浜辺には同じく休暇中のダンも一緒でした。
へえ~?。お二人さん、もうそこまでの仲に?(笑)。
その直後、ダンとアンヌの目前で突然シーホース号が大爆発し海底開発センターもろとも全滅してしまいます。

#42 作戦室
そして、地球防衛軍長官充てに子供の声でメッセージが届きます。
「海底はノンマルトのものだ。侵略したりすると大変なことが起こる。」

#42 ノンマルト=地球人では?
それを聞いてダンは何事か訝しむ始めます。
セブンの故郷M78星雲では地球人のことを”ノンマルト”と呼んでいたからです。
「ノンマルトと地球人は別ものなのか?。」

#42 少年を探すアンヌ
左頬のホクロを手掛かりに少年を探し回るアンヌ。
4Kで見るこのカットがあまりにも奇麗だったため今回無理やり掲載してみました(笑)。
前回「水中からの挑戦」と同じく満田かずほ監督作品なのでやはり長髪です。
次の「第四惑星の悪夢」からしばらくはまたショートカットに戻ります。

#42 学校にポインター
「子供を探すなら学校でしょ」ということで、ダンとアンヌはポインター号に乗って近くの学校へ。
憧れのウルトラ警備隊来訪に子供たちは大興奮!。

私が初めて『ウルトラセブン』を見たのは4~5歳の頃です。
見たいのは当然セブンやウルトラホークの活躍シーンだけで、作り手の思いにもストーリーにも凝った絵作りにも全く興味ありませんでした。

それでも、この画だけは当時見たときの記憶がはっきり残っているのです。
子供にとって最も身近な場所である学校や保育園に憧れのヒーローやメカニックが訪ねてきてくれたこの場面を。
おそらく幼い私に「いつかはこんな風に僕らのところにもウルトラ警備隊が来てくれるかもしれない。」という淡い期待を抱かせてくれたからだと思われます。

それにしても、この子供たち・・・。
お客さんの車に乗っかったり、勝手にドア開けて中を覗き込んだりと傍若無人が過ぎますね。
この学校、躾が全然出来ていないじゃないか?って思います。

#42 海はノンマルトのもの
ようやく少年を発見。
名前は真市。
彼は「ノンマルトこそが本当の地球人。現在の地球人類はどこかからやってきて先住民である彼らを海底に追いやり地上に居座った侵略者だ。」と言う。

制作当時としては革新的な展開だったと思います。
しかし、私がこのストーリーを見たのは中学の時で、当時『海のトリトン』や『ザンボット3』など富野喜幸監督のアニメ作品で「善悪逆転」論法に耐性があったことからこの話は比較的すんなり受け入れていました。

このストーリーについて、今作の脚本を書いた沖縄出身の金城哲夫さんが琉球(沖縄)と大和(日本本土)との確執を込めたものだとする説があります。
しかし、このストーリーにその論法は当てはまらない気がします。

例えとしては、アメリカ大陸の先住民(インディアン)とヨーロッパから移民してきた現アメリカ人たちといった話のほうが合っている気がします。
この場合、入植者を守るため先住民と戦った騎兵隊は今作のウルトラ警備隊に相当します。

また、日本で例えるなら北方領土の日本人先住者とロシア人との関係のようなものでしょうか。
正しい歴史を伝えていかなければ嘘が真実になってしまうのはいつの時代も同じです。

#42 ガイロス
やがてノンマルトが操る怪獣:ガイロス登場
前回のテペトと同じく怪獣デザインコンテストで入賞した小学生の作品が元になっているそうです。

#42 変身を阻止
ガイロスを阻止するためセブンに変身しようとするダンを徹底的に妨害する真市。

しかし、このとき真市が阻止すべき相手は(セブン)ダンではなかったのです。
本当に彼が立ちはだかるべきは、海底で戦闘指揮を執っているウルトラ警備隊のキリヤマ隊長でした。

#42 海底都市爆破
ノンマルトの海底都市を発見したキリヤマは、「もし宇宙人の侵略基地なら放っておくわけにはいかん」「我々人間より先に地球人がいたなんて・・・信じられん」と、一瞬の逡巡ののち「やはり攻撃だ!」と命令を下します。
ミサイルの猛攻を受けて無抵抗のノンマルト海底都市は全滅しました。
おそらく、女子供も一人残らず・・・。

しかしキリヤマにしてみれば、ノンマルトの正体が何であれ彼らは海底開発を妨害し多数の人間を殺した敵でしかありません。
彼は「地球人類(同族)を守る」というウルトラ警備隊指揮官としての責務を全うしたに過ぎないのです。

#42 「海も我々のものだ」
ただ、問題はそのあとです。
作戦成功後、キリヤマ隊長は思わずこんなことを口走ります。

「我々の勝利だ!。海底も我々人間のものだ!。」

隊長・・・それは侵略者のセリフそのものですよ。

『平成ウルトラセブン:わたしは地球人』
ノンマルト事件のその後については『平成ウルトラセブン「わたしは地球人」』の中で語られています。
当初は、ノンマルト攻撃決定と「海底も人間のもの」発言に対してキリヤマ自身が向き合い続けているという話だったそうですが、キリヤマ役の中山昭二さんがクランクイン前に急逝されたため、本編では既に亡くなっているという設定に変更されていました。

「わたしは地球人」はビデオレンタルで一度だけ見ましたが、私の中ではその後封印状態にある作品です。
他人の勝手な解釈で作られた「ノンマルトの使者」の続編を見せつけられることに反発を禁じ得なかったのです。
それでも、あの出来事に対するキリヤマ自身の贖罪の言葉と行動だけは中山昭二さんの演技で見てみたかったです。

#42 数年前ここで死んだ少年の墓
ラストシーンで、真市と名乗ったあの少年は、2年前この海で既に亡くなっていたことが明らかにされます。

確かに衝撃的な終わり方ですし、それ故に観た者の記憶にざっくり刻み込まれたのだと思います。

でも・・・。
やはりこのお話は分からないことだらけです。

#42 真市
真市が幽霊だったとして、では彼があれほどまでノンマルトに肩入れする理由は何だったのでしょうか?。
本作には2年前に死んだ真市少年とノンマルトとの接点は何一つ描かれていませんし、真市の魂が自発的にノンマルトを擁護する理由がどこにも見当たりません。

あるいは、実はあの真市はノンマルトの一人が変身した姿であり、かつてこの場所で死んだ少年の姿形を借りていただけだったとか?。
でもどうせ人間の姿を借りるのであれば発言力の弱い子供ではなく、セブンのように大人の人間になるほうが成功率が高まるだろうと思うのですがね。
それに、本当にノンマルトの人間だったなら、最初にアンヌに接近してシーホーク号爆破計画をリークするはずはありません。

#42 双方の使者
ここからは、中学の頃私が友達と語り合いながら考えた解釈です。

あの真市少年はノンマルト人が変身した姿などではなく、ましてや幽霊でもなかったと思います。
彼は、ノンマルトと人類という二つの知的生命体を抱えることになってしまった地球そのものの使者ではないか?と、今で言う「ガイア理論」みたいなことを考えていました。
(先住民の名がノンマルトなのだから「ノンマルトの使者」と呼んでも間違いではありません)
最初にノンマルトの破壊計画をアンヌにリークしたのは、地球人類にノンマルトの存在を知らせて(思い出させて)和平のきっかけにしたかったのかも知れません。

そしてアンヌにだけは心を許し、彼女の口からウルトラ警備隊全員に事情が伝わるはずだと思った彼は
「ハイドランジャーにはアンヌがいる。アンヌが攻撃を止めさせてくれる。」
そう期待して、真市は人類の強力な助っ人であるウルトラセブンの介入を阻止することに注力したのでしょう。
しかし、唯一人の理解者だったはずのアンヌはキリヤマの命令に背くわけにはいきません。
皮肉にも、彼女はハイドランジャーの乗組員としてノンマルトの最期を見届けることになってしまいました。
キリヤマ隊長の勝利宣言を聞いて唇を噛むアンヌの表情が辛すぎます・・・。

#42 ノンマルトの使者
「ウルトラ警備隊のバカヤロー!」

ラスト、どこからか聞こえてくる真市の怒声。
アンヌはこの声をどんな気持ちで聞いたのか・・・。

でも実はこの解釈、オリジナルのアイデアでもなんでもありません。
私が当時見たくても見られなかったあるSF映画が元ネタでした。

『惑星ソラリス』ポスター画像
そのSF映画とはA・タルコフスキー監督の『惑星ソラリス』('72)です。

元々アニメや特撮が大好きで海外のSF作品にも触れるようになっていた当時の私は、『2001年宇宙の旅』よりもっと難解なSF映画と評判のこの作品を見たくてたまりませんでした。
しかし、3時間もあるという大長編ですから、都会ならともかく福井みたいなど田舎では再上映など期待できません。
もちろん家庭用ビデオなど影も形も無い時代です。
それでも「主人公の前に意思を持つ惑星が作り出した死んだはずの妻が現れる」といったおおまかなストーリーを映画雑誌かなにかで読んだ私は想像を膨らませ続けて耳年増状態になっておりました。
そして、そんな頃に見た「ノンマルトの使者」の”死んだはずの少年”を星の代弁者に結び付けて考えるようになったのです。

あと、先週あまりにも長くなりすぎたので割愛した「もう一つ考えていた解釈」も併せて書き記しておくことにします。
こうして『セブン』について思いっきり語る(書く)ことなど、私の残りの人生のなかでもう二度とないかも知れませんから。

#42 ノンマルト
ノンマルトも実は一枚岩ではなく、過激派と穏健派に分かれていた。
過激派は海底開発施設爆破や人間から奪った兵器やガイロスを使っての地上攻撃を計画。
そして穏健派は2年前この海で死んだ真市少年の姿を借りてウルトラ警備隊(アンヌ)に接触し和平工作を図ろうとしていた。
しかし、彼らが信頼を寄せたアンヌはキリヤマの独断を止められずノンマルトは全滅。
一人残った真市(最後のノンマルト人)は「ウルトラ警備隊のバカヤロー!」と叫ぶ。


こっちのほうが理に適っているとは思いますね。
でも、やっぱり地球意思説のほうが中学生らしくて夢があったと思います。


以上は全て中学時代の私の勝手な解釈・・・というより妄想みたいなものであります。
本気(マジ)の反論は何卒ご容赦くださいませ。<(_ _)>

第43話「第四惑星の悪夢」
#43 ロボットの世界
<あらすじ>
防衛軍が開発した全自動制御の宇宙ロケット「スコーピオン号」の試験飛行が実施された。
20日間の睡眠状態から覚めたダンとソガが辿り着いたのは、地球とそっくりながらロボットが住民を支配する「第四惑星」だった。
同星の総合センター長官に接見したダンとソガは、地球が第四惑星に植民地支配される危機にあることを知る。


#43 突然の拘束
怪獣も宇宙人も出てこない第3の作品。
私の中で「盗まれたウルトラ・アイ」「ノンマルトの使者」などとトップの座を分け合う傑作エピソードです。
あまりにも印象が強すぎて、『ウルトラセブン』と言えばまず「第四惑星」が思い浮かぶという人も多いのではないでしょうか。

#43 ここはどこだ
中3の秋、再放送で「第四惑星の悪夢」を見た時の驚きと興奮は今でもよく覚えています。
風景は見慣れた日本と同じ風景。
それなのに何かが違う。
別次元の地球?。未来世界?。夢の中?。
そんなディストピアSFに接したのはこの作品が初めてでした。
「どうしよう、なんかもの凄いSFを見てしまった気がする!」と訳のわからない気味悪さと激しい高揚感に支配されました。
唯一ラストが夢落ちなのが残念でしたが、そこは『ウルトラセブン』というシリーズの中の一本なので仕方ありません。

#43 ダンとソガ
当時私には学校で前日観たアニメや特撮ものについて熱く語り合えるアニメ・特撮好きの友達がいました。
観終わった瞬間から「彼と何から話そう」などとソワソワしていたのですが、残念なことに「第四惑星の悪夢」は金曜日放送だったためそれが出来ずずいぶん歯がゆい思いをしたという記憶があります。

そんな私が「第四惑星の悪夢」の元ネタを知ったのはそれから約4年後のことでした。

『猿の惑星』ポスター画像
大学進学で大阪に出たばかりの頃、TVで『猿の惑星』を初めて見たのです。
実はそれまで『猿の惑星』を一度も見たことがありませんでした。
小学生のとき一度TVで放送されたことがあったはずですが、その頃は祖母と母が「夜遅くまでTVを見てはいけません」と厳しかったため長時間の映画などが全くと言っていいほど見せてもらえなかったのです。

「おお~、これがかの有名な『猿の惑星』かぁ~」とワクワクしながら見ていたのですけど、そのうちなんとなく既視感を覚えるようになりました。
「あれ?、こんな話を前にもどこかで・・・?」

『猿の惑星』サルと人間
そこではたと気が付きました。
『猿の惑星』のサルをロボットに置き換えると「第四惑星の悪夢」になることに!。

『猿の惑星』日本公開は1968年4月13日
「第四惑星の悪夢」初放映は1968年7月28日

なるほど、『セブン』が『猿の惑星』に影響を受けていないはずがありません。

#43 違和感
しかし、そうと分かってからも私の中で「第四惑星の悪夢」への評価は微塵も揺らぐことはありませんでした。
最初に見たのがこっちだったというファースト・インパクトに加え、舞台が日本(のような星)で登場するのも馴染み深い日本人(のような人間とロボット)だったことからより強く意識に刻み込まれたのだと思います。

セブン#31 体内
そういえばセブンが松坂慶子の体内に入って怪獣(細菌)退治する第31話『悪魔の住む花』も、当時公開されたばかりのSF映画『ミクロの決死圏』がベースになっていました。
制作時期を考え合わせながら見ていると、その当時流行った出来事やヒット作を巧みに取り込んでいることが分かります。

第44話「恐怖の超猿人」
#44 セブンvsゴーロン
<あらすじ>
深夜、巡回中の警官がゴリラ級の大男に撲殺された。
事件究明のために、ダンとアンヌはモンキーセンターを訪問。
アンヌと旧知の真山博士は好意的に彼らを迎えるが、博士は女性助手と共に侵略者ゴーロン星人に洗脳されていた。
星人の目的は地球人の脳を猿のものと交換して地球を猿人だらけの惑星に作り変えることであった!


#44 超猿人
「第四惑星の悪夢」のベースが『猿の惑星』だったと考えると、次のこの回が猿ネタであることに納得がいきます。
『ウルトラセブン』スタッフはよっぽど『猿の惑星』が気に入ったようですね。

では、そのスタッフとは誰なのでしょうか?。

『恐怖の超猿人』は上原正三さんと市川新一さんの共同脚本。
そして『第四惑星の悪夢』は上原正三さんと川崎高(実相寺昭雄監督のペンネーム)の共同脚本となっています。
あ~、上原さんか!。

セブン#31 体内シーン
ちなみに『ミクロの決死圏』からヒントを得たであろう第31話「悪魔の住む花」の脚本も上原さんでした。
上原さんは相当SF映画がお好きだったようですね。

しかし、『悪魔の住む花』も『第四惑星の悪夢』も『恐怖の超猿人』も、知らずに見ていればどれも第一級の面白さです。
元ネタをしっかりと咀嚼し、ウルトラセブンのエピソードとして子供たちに提供してくれていたわけで、そこには原典に対する理解の深さとリスペクト精神、そしてリライトセンスが満ち溢れています。

#44 モンキーセンター見学
ところで、この回のタイアップは実に露骨です(笑)。
まず、ゴーロン星人のアジトとなっていた日本モンキーセンター。
現在も愛知県犬山市で営業中の日本モンキーセンターが舞台となっています。

アンヌ「ここには世界の猿が、1000頭近くもいるんですって!」
ダン 「へえ~?」

と、アンヌとダンが園内をくまなく見せてくれます(笑)。

#44 お願いします!
さらに後半では、ゴーロン基地(モンキーセンター)から脱出したアンヌが基地と連絡を取るため川下りの船に乗り込みます。
この場面、まるでモンキーセンターのすぐ近くたいな繋がり方になってますが、実はこの船着き場は岐阜県の木曽川です。

それにしても・・・この緊急時に船?。
しかも手漕ぎの?。

「お願いします!」
「へい!」

う~む、まるで観光案内ビデオのような絵面であります(笑)。
でも、この頃の円谷プロの懐具合を思えば仕方のないことかも知れません。

#44 日本ライン下り
この日本ライン川下り観光船とは、木曽川の急流区域をベテラン船頭さんが操る観光用の小舟で猛スピードで岩を除けながら下ってゆくという観光スポットです。
ちなみに日本ラインという名称は、木曽川の景観をドイツのライン川に準えて名付けたそうです。

#44 女を求めて
執拗にアンヌを追う猿人。
しかし彼の目的はアンヌを殺すとか、捕らえてゴーロン星人に差し出すといったことではありません。
ケガをした自分の手に包帯を巻いてくれたアンヌにひたすら恋焦がれただけなのです。

#44 ケダモノ
しかし、だからと言って彼に捕まるわけにはいきません。
もし捕まってしまった場合、アンヌがこのケダモノに何をされてしまうのか?。
子供番組なので明確な表現は避けますが、考えられることはただ一つ「繁殖」です(怖っ)。

#44 超猿人の最期
最後はアンヌ救出に来たウルトラ警備隊に射殺されてしまいますが、その顔には心なしか安らかな表情が感じ取れます。
彼もゴーロン星人に脳改造される前は気の優しいただの掃除係だったのかも知れません。

第45話「円盤が来た」
#45 少年とフクシン
<あらすじ>
下町の工場街に住むフクシンは天体観測だけが生き甲斐の気の弱い青年。
ある夜フクシンは夜空に大挙して押し寄せる大円盤群を発見し、防衛軍に通報するが異状は観測されなかった。
実は密かに地球にやって来たぺロリンガ星人が不透視バリヤーという特殊なシステムで母星からの大円盤群を星団に偽装していたのだ!


#45 フクシン君UFO発見
保育園の頃にも見ていたはずですが、当然ながらその時の記憶はありません。
私が『セブン』を真剣に見たのは’79年秋の再放送で、内容に関してはこの時が事実上の初セブン体験だったと自覚しています。
当時私は中学3年生。
『スター・ウォーズ』『エイリアン』『スーパーマン』などといった大作SF映画に夢中になっていました。
そして、事実上初見に等しい「円盤が来た」を見ながら「こんな話を最近どこかで見たぞ?」と妙な既視感を覚えたのです。

#45 フクシンとペロリンガ星人
「もう随分大勢の地球人を私は星へ連れていってあげたんだ。ほら、ある日突然蒸発して居なくなった人が君の回りにも居るだろう?。」

このペロリンガ星人のセリフでまた別の映画を思い出しました。

『未知との遭遇』帰還した行方不明者
それは『未知との遭遇』(’77年)の第二次大戦時に消息不明になった飛行機パイロットたちがUFOから降りてくる場面です。

#45 フクシンくん
つまり、『未知との遭遇』の主人公:ロイはフクシン君。

#45 防衛軍通信員
フクシン君の言うことを信じようとしないロイの奥さんは警備隊の人たち。

#45 源さん
そしてUFOに幼い息子を連れ去られたジリアンは、実際に望遠鏡を見てUFOの存在を信じてくれた金物屋(?)の源さんといったところでしょうか。

『ウルトラセブン』第45話「円盤が来た」の初放送は1968年8月。
『未知との遭遇』は1977年11月全米公開です。

当時の私は「『未知との遭遇』は絶対に『セブン』のペロリンガ星人が元ネタや!」と鬼の首でも取ったかのように周囲に語りまくっておりました(笑)。
といっても、こんなオタク話にまともに付き合ってくれたのは、やはり同じSF・特撮好きの親友ただ一人でしたが・・・。

#45 戦闘
『未知との遭遇』との最大の違いは、UFOに乗ってやってきた宇宙人が友好的か侵略者かということです。
仮に「円盤が来た」のペロリンガ星人を侵略者として描くのではなく、人間社会が嫌になった地球人を自分の星に招いた善意ある異星人として描いていたとしたら、それこそ歴史に残るほどの大傑作になっていたかも知れません。
もっとも、現在の国際情勢下では北●鮮の拉致問題と重ね合わせて見られてしまいそうな気もしまうが・・・。

#45 謎の少年
フクシン君を誘惑するペロリンガ星人の人間(少年)体を演じたのは、『超人バロム・1』の白鳥健太郎役で特撮ファンにはおなじみの高野浩幸さんです。

『超人バロム1』バロムクロス
二人一組で変身する「バロムクロス」のポーズは当時小学生の間でずいぶん流行りました。
クラスの中の誰と組むかで男同士の友情が測られたあの頃を思い出します(懐)。
あと、おっさんになってからは、同世代の奴とビールジョッキを持った腕をクロスして「ばろ~むくろす!」と言いながらグビグビ飲み干したりしてました。
これ、高野さんも絶対やった(やらされた)と思いますね(笑)。



【訃報】
『ウルトラマンA』瑳川哲朗さん(竜隊長役)
先日、『ウルトラマンA』のTAC隊長:竜五郎役を演じられた瑳川哲朗さんの訃報を知りました。
瑳川さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

『ウルトラマンA』TACチーム
『A』については、初放映時(小2)は前の『帰ってきたウルトラマン』が好きすぎて反動があったのと、初代・セブン・帰マンなど過去のマイ・ヒーロー(ウルトラマンたち)をAの引き立て役にしているのが子供心にも気に入らなくてあまり身を入れて見てはいませんでした。
ちゃんと再評価したのは中学3年の時に見た再放送で、(確かゴルゴダ星でウルトラ兄弟が磔にされる回だったと思いますが)北斗に特攻を命じた上官を竜隊長がぶん殴るという場面がありました。
人としての正義と部下の生命を第一に重んじるこの隊長さんとTACチームがいっぺんに好きになってしまいました。

『ウルトラマンA』DVD特典より 瑳川哲朗さん
『A』のDVD特典映像でかつての共演者たちと一緒に座談会に参加していた瑳川さんの楽しそうな笑顔が思い出されます。
あと、『タロウ』『レオ』のナレーションの温かな声も私の記憶にしっかりと刻まれています。
今はなんだか、小学校時代の先生が亡くなられたときのような気持ちです・・・。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。

BS4K全放送完備しました!

トガジンです。

突然ですが・・・。

4K WOWOWと日本映画専門チャンネル
先日、WOWOW-4Kならびに4K日本映画+時代劇チャンネルに対応するべく、我が家の衛星放送受信環境を根本からグレードアップしました。
WOWOW 初代ロゴ
特にWOWOWとは’91年の開局時からの付き合いです。
初期の段階から「ノーカット」「ノーCM」「オリジナル尊重」を軸とし、時に『スター・ウォーズ』三部作を一挙放送するなどの攻めたプログラムが魅力的でした。
現在ではネット配信が主流になりつつありますが、私みたいな昭和生まれのおっさんユーザーはパッケージソフトやエアチェック・ディスクという「手元に残るもの」が欲しいのです。
新しい4K-WOWOWにも今までと変わらない付き合いを続けるつもりです。

日本映画専門チャンネル LOGO
そして、かつてはWOWOWと双璧を成す存在だったのが日本映画専門チャンネル。
こちらは十年前くらい前からの契約ですが、以前は「東宝特撮王国」「オトナノアニメ」など私好みの企画・作品を連発してくれていて一時期はWOWOWを凌ぐ個人的視聴率を誇ったものでした。
なのに最近ときたら昔のTVドラマの再放送ばかりになってしまって、このままだと解約も辞さないというところまで来てました。
(前は同じTV番組でも「スペクトルマン」全話放送してくれたりして特撮好きには堪らないチャンネルだったのですが・・・)

日本映画専門チャンネル「ゴジラシリーズ最恐画質放送」
が、しかし!。
なんと、3月から4Kリマスター画質で毎月1作品づつ8作品を順次放送してくれるというではないですか!。
(やれば出来るじゃないか日本映画専門チャンネルさん)
もちろん従来のBSデジタル(255ch)でも2Kダウンコンバートで見られますが、どうせならリアル4K解像度で視聴&録画したいのです。



新BS4K(総務省HPより)
2018年12月にスタートした4K放送のうち、NHK・朝日・テレ東・日テレ・TBS・フジは(BS4Kチューナー内蔵機さえあれば)従来のBSデジタル受信設備のままで見ることが可能です。

新しく加わるWOWOW-4Kを見るためにはまずアンテナを左旋式と呼ばれる新型に交換する必要があリます。
WOWOW-4Kの周波数帯域は2224~2643MHzの間なのでアンテナを交換するだけでギリギリ視聴可能です。
しかし、4K日本映画+時代劇チャンネルは周波数帯域がさらに上の2748~3224MHzであるため、アンテナだけ交換しても見ることは出来ません。
配線途中にあるブースターや分配器が従来の2655MHzまでしか対応していなければ信号が通らないからです。

今回私はWOWOW-4Kだけでなく日本映画専門チャンネルのリアル4K放送にも対応したため、アンテナからブースター、分配器、そして一部のケーブル端末に至るまで新BS4K放送にフル対応させました。
今回の記事はその備忘録です。



まず、BSアンテナを左旋電波受信用のものに交換します。

旧BSアンテナ
こちらが今まで使ってきたBSアンテナ。
今の家を建てた時に取り付けた物なのでもう10年になります。
従来のBSデジタル(2K)と右旋4K放送(2071MHz以下)を受信するだけならまだまだ使えますが、心を鬼にして引退してもらうことになりました。

日本アンテナ:CSRL45ST
そして、こちらは今回新しく購入した右旋左旋両対応型BSアンテナ、日本アンテナ製:CSRL45です。
(取り付ける前に現物を撮影しておくのを忘れたためメーカーHPの製品写真を借用しています)

パラボラ径は今までのものと同じ45センチ。
実はもっと大きなサイズに変えることも考えたのですが、「福井は本州中央部なので45センチでもオーバーなくらいです。50センチでも60センチでも先日みたいな吹雪が来たら同じですし、むしろ口径を大きくすることで風雪の悪影響を受けやすくなりますよ。」と言われて結局前と同じ45センチに落ち着きました。

プロにアンテナ交換依頼
アンテナの交換と角度調整はプロの業者さんにお願いしました。
DIY好きなので出来れば自分の手でやりたかったですが、屋根の上の作業は斜面が急でやりにくく私には文字通りハードルが高いです。

取付金具は前のものをそのまま流用出来るので、電気屋さんは「今日は天気もいいし楽だ~」と喜んでおりました(笑)。
アンテナ交換の代金は品物代と作業料を含めて税込み2万円ほどでした。

NEW BSアンテナ
取付けを終えた新しいBSアンテナ。
大きな一歩を踏み出しました。

巣のアンテナ利得77db
アンテナ直出しの利得は77db。
レコーダー(パナソニック製)の推奨利得値は50db以上(取説より)なので77dbなら十分過ぎる数値です。
ただ、この日は晴天だったので特に良い数値が出たのかも知れません。

旧BSアンテナ
取り外した直後の前のアンテナは電気屋さんに引き取ってもらうことにしました。
長い間、雨・風・雪・そして直射日光にさらされてきたためPanasonicの印字もかすれてよく見えません。
10年間ありがとう。
ご苦労様でした。



3224MHzブースターと分配器購入
信号経路上にあるブースターや分配器も3224MHz対応のものと交換します。
実はWOWOW-4Kのほうは左旋式アンテナに替えただけでも見られますが、従来のブースターや分配器を介すると周波数帯域がギリギリとなってノイズ混入や通信障害が生じる恐れがあります。
また3224MHzの帯域を要する日本映画専門チャンネル4Kは根本的に見られません。

アマゾンで現有機種と同じマスプロ製ブースター&分配器を購入。
値段は両方合わせて8千円ほどでした。

いざ屋根裏へ!
新しい機材と工具を持っていざ屋根裏へ!。
アンテナ交換はプロに頼みましたが、ここからの作業は全部自分でやりました。
ていうか、こんな楽しいこと他人に任せてなるものですか!(笑)。

旧ブースターと分配器
こちらが今までの分配器とブースター。
ブースターは本体と電源部が分離したタイプです。
旧型は扱える帯域が2655MHzまでなので3224MHzの信号はここで止められてしまいます。

3224MHzブースターと分配器設置
ブースターと分配器を新型に交換。
どちらも同じメーカー(マスプロ)の後継機なので、それぞれ同じ場所にケーブルを差し替えるだけなので簡単に済みました。

あと、同軸ケーブルについては余程古いものでない限り従来のままで問題ないそうです。
10年前の新築時に必要以上に拘って良質なケーブルを使ったのがここにきて役に立ちました。
もし、家じゅうに巡らせたケーブルまで全部交換なんてことになったら4K全対応はかなり困難になったと思います。

3224MHzブースター調整部
利得調整は妻にも手伝ってもらいました。
とりあえず前のブースターと同じつまみ位置から初めて、妻にレコーダーの利得値を読み上げてもらいながら私が屋根裏で調整していきました。



壁アンテナパネル
これで理論上すでにBS4K化は達成しているはずですが、念のため壁のコネクター部も3224MHz対応のものに替えることにしました。

こちらは今までの端子盤。
Uと書かれているのが地デジ(UHF)でBと書かれているのがBSです。
実はシアタールームにだけはBSと地デジを混合せず別々に配線しています。
少々めんどくさいですが、これはBSの信号鮮度を落としたくなかったためです。

壁埋め込み用アンテナコネクター
壁用コネクターは各メーカー共通規格なのでとりあえずコネクター部分だけを買ってきました。
ホームセンターの裸売りで一個500円くらいですがモノはれっきとしたDXアンテナ製です。

旧式の取り付け方
旧式の壁コネクターはケーブルを直接取り付けるタイプでした。
これだと接続部分にシールドが無いため、3224MHzの信号だとノイズが混入しやすいらしいです。

新型の取り付け方
新型はケーブル末端にF型コネクター(ブースターの付属品)処理して取り付けます。
接続部はコネクター部分が可動するようになっているので取り付け作業は楽ちんでした。

端子盤改造完了
BSアンテナ端末とレコーダーとはケーブル直結です(黒ケーブル)。
このケーブルも一応「4K8K対応」を謳っているものを新調しました。



チャンネル設定中
レコーダーのチャンネル設定でWOWOW4Kを登録すると・・・

WOWOW試験放送が見えた
出ましたぁ!。
WOWOW4K試験放送のカラーバーが!!。
斜め横に動くカラーバーに「3月1日(月)正午より放送開始」の文字が載っています。

4K通販番組もバッチリ!(笑)
現時点で見られる左旋BS4Kチャンネル「ショップジャパン」と「4KQVC」(無料放送)もしっかり映りました。
まあ、私が通販番組を見ることはまず無いでしょうが、実はこの通販番組は日本映画+時代劇専門チャンネルと同じ帯域のグループなのです。
つまりこの通販番組が見えているということは、即ち日本映画+時代劇専門チャンネルも問題なく見られるということです。
今はまだ契約レコーダーの切り替えをしていませんが、3月に入ったらすぐ契約変更することにしています。



どんと来いWOWOW4K
これにて我が家の4KBS放送フル受信体制が整いました。
必要経費は3万円弱。
アンテナ設置以外は全部自分でやったので工事費を浮かすことが出来ました。

あとは3月1日のWOWOW4K放送開始を待つばかりです。
それと、3月6日の『ゴジラ(初代)』リアル4K放送も!。


個人的備忘録にお付き合いいただきありがとうございました。

週刊映画鑑賞記(2021.2/15~2021.2/21)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。

・・・とは言いながら、今週は仕事が立て込んで映画もTV番組もネット配信も全然見ておりません。
タイトル詐称をお詫びします。

それでも、毎週楽しみにしているBS4K『ウルトラセブン』だけは例外のはずでした。
・・・が。
今週は『ウルトラセブン』感想もお休みです。
なぜならば・・・。

BS電波障害
放送日の火曜日深夜、衛星放送に酷い電波障害が起きてしまったのです。
BS4K『ウルトラセブン』もご覧のとおり。
今週は「ノンマルトの使者」「第四惑星の悪夢」というシリーズ屈指の名作2本揃い踏みだったのに・・・・。

この日は吹雪
これは、今週前半に福井県を含む日本海側を襲った暴風雪のせいです。
16日(火)帰宅時はこのようにホワイトアウト一歩手前状態でした。
(この写真は信号待ちの間に撮ったものです)

『ウルトラセブン』が録れてない!?
あまりの悪天候のため電波障害が発生し、「ノンマルトの使者」は14分ほどしか録画されていませんでした。
サムネイルの画像からしておかしいです。
「第四惑星」のほうは一応26分間録画されていますが、あの荒天ではこちらも映像が乱れている可能性が高いです。
見ている間にノイズで気が散るのは嫌なので見ないことにしました。

今度は録れた
幸い4K『ウルトラセブン』は日曜の朝に再放送されています。
今回の「ノンマルトの使者」と「第四惑星の悪夢」は本日(21日)早朝に無事録画し直しました。
まだ見てはいませんが、今朝は天気が良かったので問題なく録れていると思います。

しかし、今日は終日仕事だったため視聴する時間も感想記事を書く時間もありません。
来週4話分まとめて書くことにします。

BSアンテナ
実は今、3月から始まるWOWOWの4K放送に向けてBSアンテナを左旋式のものに交換する予定でいます。
現在使っているアンテナは45センチ径なのですが、今回のことで多少の雪くらいでは利得が落ちないもっと大きなサイズ(60センチとか)に替えようかとちょっと迷っております。


なんだか宿題を忘れた小学生の言い訳みたいになってしまいました。(^^ゞ
つまらない記事にお付き合いいただきありがとうございました。

週刊映画鑑賞記(2021.2/8~2021.2/14)

トガジンです。
毎週日曜日はこの一週間に観た映像作品を日記代わりに書き留めています。



2/10(水)
『テネット』
(自室液晶テレビ:レンタルBlu-ray)
『TENET』ポスター画像
去年10月に劇場で見た作品です。
映像は確かに凄かったですが、ストーリーについては時間軸が複雑に絡み合っていてもう何が何やら・・・。

先日、BD/DVDレンタルが始まったので早速借りてきました。
返却まで3日しかなく「ストーリーを分析しながら見る」時間も無かったので、今回は劇場で見たとき「ソフト化されたら絶対やってみよう」と思っていた”あること”を試してみました。

『テネット』時間は逆行する
その”あること”とは、この作品最大の売りである「時間逆行シーンを逆転再生で見る」ことです。
CGをほとんど使っていないというこの作品では、時間軸逆行世界のほとんどをフィルムを逆転撮影することで表現しています。
つまり、時間逆行シーンで前を向いて歩いてる人は撮影時には後ろ向きで歩いていたことになります。
そうしたシーンを逆転再生して俳優さんたちの元の動きを見てみたかったのです。

ただ、どういうわけか現在我が家にあるBD再生機(プレーヤー/レコーダー/PC再生ソフト)にはどれも等倍の逆転再生機能が付いていません。
どれも2倍速以上の逆方向再生は出来るのに、なぜか単なる逆転再生が出来る機種が無いのです。

理由はすぐ思い当たりました。
BDやDVDの映像圧縮がMPEG方式だからです。

mpegの仕組み
MPEGは数フレームごとにキーフレームを記録し、その間は差分データだけを記録することで容量圧縮する方式です。
再生するときはベースとなるキーフレームに差分データを掛け合わせて間のフレームを生成します。
これを逆転再生するとなると、まず数コマ先にあるキーフレームを読み込み差分データを使って逆の順番でコマを生成していくという実にめんどくさい工程が必要になってしまうのです。
これをリアルタイム再生で実現するには非常に高速な処理速度が必要です。
そんなわけで、現在一般的に売られているようなBD/DVDプレーヤーではアナログビデオやフィルムと同じ感覚での逆転再生は理論的に無理なのです。
MPEG動画をスムーズな等倍逆転状態で見るには、何らかの映像処理ソフトを通して速度マイナス100%の動画に変換するしかありません。

ブルーレイを使い始めてもう13年になりますが、初めて等倍の逆転再生は出来ないという事実に遭遇しました(笑)。

『テネット』PS3で逆スロー
しかし、等速逆再生こそ出来ないものの、逆転スロー/コマ送りが可能な機種が一つありました。
それはなんと、BD黎明期に発売されたPS3です。
ボタンで表示される操作メニューから正逆逆転スローの切り替えも簡単に出来て、今更ながらPS3のポテンシャルの高さに驚かされました。
(ちなみに私は、最新のPS5もPS4も持っておりません。PS5なら等速度逆転再生出来るのですかね?。)

『TENET』洋上
普通に撮影したものを単純に逆再生しただけの映像なら、それを元に戻すだけなので特に変わったことはありません。
しかし、通常時間側の人間と逆行時間側の人間が同じ画面に収まるシーンでは、どちらか片方が逆の動きをしていることになります。
人間が後ろ向きに歩いたり走ったりする場合、体重移動とか踵のつけ方とかがまるで違います。
後ろ向きに歩く人を撮影した映像を逆転再生で見たことがある人にはお分かりと思いますが、この場合正常な動きには見えないことが多いのです。
そのため出演者たちは「逆再生で見ても不自然にならない後ろ歩き」を研究&練習する必要があります。

しかし、『テネット』に出演した俳優さんやスタントマンは相当練習して撮影に臨んだのでしょう。
逆転で見ても普通の動きと変わらない自然な動きになっていて驚きました。

『TENET』逆行VS順行
次に注目したのは主人公と時間逆行世界から来た覆面男(正体はネタバレになるので伏せます)の格闘シーン。
二人の俳優(覆面男はスタントマン)が同じ画面の中で戦うわけですが、この場合どちらか片方は常に逆の動きをし続けていたはずです。


残念ながらレンタルBDにメイキングは収録されていませんでしたが、YOUTUBEに動画が上げられていました。

『テネット』逆行アクションの特訓
やはり出演者たちは逆再生で見ても違和感のない動きをしっかり練習したうえで撮影に臨んでいたことが分かります。
また、この場面を正逆繰り返してよく見ると、順時間で撮影したカットと逆転撮影した短いカットとを巧く編集することであの異常な動きのアクションシーンを作っていることが分かりました。

『TENET』逆行順行入り混じったモブ
そして、正逆時間両方の兵士たちが同じ画面の中で行き違うモブシーン。
画面左側のチームは普通に走っていますが、右側のチームは全員が後ろ向きに走っています。
画面に収まるのが数人だけなら監督の意向を完璧に反映させることも出来るでしょうが、これだけ大勢の人間が登場すると全員が訓練通りに自然(?)な後ろ歩きをしているとは限りません。
一人くらい変な動きになっている奴がいないかと目を凝らして見ておりましたが、残念(?)なことにそういた突っ込み甲斐のある奴はいませんでした。
クリストファー・ノーラン監督のこだわりは、末端のエキストラたちにまで徹底的に浸透していたようであります。

『TENET』「妙な感じだ」
今回はちょっと変わった映画の楽しみ方を試しましたが、肝心のストーリーのほうはまだチンプンカンプンなままです。
次はタイムラインを紙に書き出しながら見てみようかとも思いましたが、なんかもうお腹いっぱいであります。



『ウルトラセブン』(4Kリマスター版)
(ホームシアター:BS4K録画)
『ウルトラセブン』4Kリマスター版放送
「玉石混交」という言葉がピッタリの『ウルトラセブン』。
その4K放送も今週で40話まで到達しました。

第40話「セブン暗殺計画(後編)」
「セブン暗殺計画(後編)」セブンを発見
<あらすじ>
セブンを捕らえることに成功したガッツ星人は夜明けと共に処刑すると通告。
ウルトラ警備隊はセブンがエネルギー切れで動けないことを知り、マグネリュームエネルギーを与えて復活させようと考える。
それに必要なダイモード鉱石はフルハシと彼の妹の友人である女性レーサーの夏彩子が持っていた。
その情報をキャッチしたガッツ星人は彩子を狙う。


「セブン暗殺計画(前篇)」フルハシへのプレゼント
前回の冒頭で夏彩子からフルハシ宛てに送られてきていたダイモード鉱石。
彼女も同じものを持っているとのことで二人お揃いというわけです。
「ひとりぼっちの地球人」ではソガの婚約を羨んでいたフルハシですが案外隅に置けませんね(笑)。

「セブン暗殺計画(後編)」希望
セブンの脳髄から出ている電波を分析した結果、この石を使ったビームをセブンに与えれば復活出来ると判明!。
しかし、一個だけではパワーが足りません。

「セブン暗殺計画(後編)」夏彩子
もう一個のダイモード鉱石を持つ女性:夏彩子が遂に画面に登場します。
当時はサファリラリーで日本チームが優勝したことからカーレーシングブームが沸き起こっていました。

「セブン暗殺計画(後編)」変な動物
ガッツ星人もセブンの通信を傍受したらしく、ウルトラ警備隊より一足先に石を奪おうと彩子に接触します。
もっとも、ガッツ星人がどうして彩子のことを知っていたのかは謎ですが(笑)。

このシーン、影を使った見せ方がホラータッチで結構怖いです。
しかし、ガッツ星人は彼女を殺そうとしたり連れ去って人質にとったりなどはせず、欲しいもの(石)だけ奪って去っていきました。
この妙な生真面目さがガッツ星人の人気の秘密かも知れません。

「セブン暗殺計画(後編)」フルハシの彼女?
彩子はガッツ星人のことを「変な動物」呼ばわりするほど気丈な女性です。
フルハシは将来絶対尻に轢かれるでしょうな(笑)。
石を奪われ「万事休す」と唇を噛んだフルハシでしたが、ガッツ星人が持ち去ったのは実はイミテーションだったことが判明。

「セブン暗殺計画(後編)」シ~ッ
「ざまぁみろ!ガッツ星人め!ガラス玉を持っていきやがったwww」
だが思わず口を押えてカメラ目線
「し~っ、聞かれたかな?」

今までの硬派な『ウルトラセブン』にはなかったこのコミカルシーンからは、同じ飯島監督の『ウルトラマン』第2話(制作順は第1話)「侵略者を撃て」のイデ隊員を彷彿とさせてくれます。
ホラー調の演出と、こういったコミカルシーンとのバランスが絶妙です。

「セブン暗殺計画(後編)」囮作戦
必要量のダイモード鉱石は手に入れたものの、セブンの居場所が分からなければ意味がありません。
ウルトラ警備隊は彩子を囮にガッツ星人をおびき出す作戦を実行。
フルハシが護衛に付いてはいますが、民間人を危険に晒していいのでしょうか?。

この彩子の車ですが、今回見ていて初めて気が付きました。
3年後の『帰ってきたウルトラマン』に登場するマットビハイクルと同型です。
ポインターと比べると明らかに走りが軽やかで、このことが元で後にMATの車両として採用されたのかも知れません。

「セブン暗殺計画(後編)」セブン復活!
セブンは無事復活。
前回での苦戦ぶりはどこへやら、ガッツ星人を円盤ごと粉砕します。

「セブン暗殺計画(後編)」ガッツ大慌て
円盤内で慌てふためくガッツ星人たち。
事前に綿密な調査を行い周到に作戦を練ってきた彼らも、いざ想定外の反撃を食らうと何をどうして良いか分からずただ取り乱すばかり。
古今東西、たとえ宇宙人であっても、(文字通り)頭でっかちのエリートさんは臨機応変というやつが苦手なようですね(笑)。


第41話「水中からの挑戦者」
「水中からの挑戦者」セブンVSテペト
<あらすじ>
伝説の動物・河童が出没するという噂を聞きつけた河童の愛好グループ「日本河童クラブ」のメンバーが伊集湖に出向いた。
同じ頃、未確認飛行物体の調査にウルトラ警備隊も出動。
双方が探索するなか、同クラブのメンバーの一人・竹村が何者かに殺害された。
河童に瓜二つの容貌を持つ宇宙人が地球侵略の目的で湖に潜伏していたのだ!


「水中からの挑戦者」大村千吉さん
冒頭いきなり大村千吉さんの絶叫どアップ。
「うぎゃ~~~~~」
おおっ、これ、これですよ!。
下手な怪獣や宇宙人以上に怖いかも?。

「水中からの挑戦者」大村千吉さん2
もう一発、大村千吉さんのどアップ(笑)。
東宝特撮映画でお馴染みのこの方が出てくるだけでリアリティが増す・・・ことは無いかもしれませんが、特撮ファンとしては何か安心感みたいなものがありますね。

「水中からの挑戦者」河童クラブの4人
河童出現のニュースを見て、わざわざ現場にやってきた「日本河童クラブ」のメンバー4人。
最近では「心霊スポット巡り」などと称して幽霊が出るという廃墟に深夜のこのこ出かける連中が多いと聞きますが、あれと似たようなものでしょうか?

「水中からの挑戦者」意外にコミカル
そのうちの一人、竹村(演:梅津栄)は河童をおびき寄せる餌のキュウリをポリポリかじったり、河童(テペト星人)とウルトラ警備隊見間違えて声をかけるなどユーモラスな描写が目立ちます。
この軽妙な演出タッチで最後まで行くのかと思いきや・・・。

「水中からの挑戦者」犠牲者
なんと、その竹村が河童の犠牲に!。
唐突すぎる人死にシーンにビックリです。
前回までの飯島演出と違って、何か見ていて落ち着かないアンバランスさを感じます。

「水中からの挑戦者」アンヌの髪が?
現場にはウルトラ警備隊も調査に来ていましたが、まだこれといって情報は得られずにいるようです。
しかし、メンバーの中でダンだけが何かの異常を感じ取っていました。

「水中からの挑戦者」アンヌの髪が伸びた?
そうです!。
前回までうなじが見えるほどのショートカットだったアンヌの髪が急に伸びているのです!(笑)。

今回の監督は最終回をてがけることになる満田かずほ氏です。
満田監督の頭の中にはすでにラストのイメージが出来上がっていて、「アンヌの髪は絶対に長くなければ」と強引に設定変更したものと思われます。
満田監督、あの最終回の髪が風になびくカットがどうしても撮りたかったのですね(笑)。

もちろん、この場面でダンが何事か訝しんでいたのは宇宙人の気配を感じていたからであって、別にアンヌの髪を気にしていたわけではありません。

「水中からの挑戦者」怪獣テペト
ところで・・・
今回登場する怪獣テペトですが、そのデザインはかなり残念なものになっています。
色がグリーン一色で、頭のお皿以外これといった特徴が無く、しかも口元からは中の人の肌色が見えてしまっています。
とても池谷仙克さんの作とは思えません。

・・・それもそのはず。
実はこのテペト、当時開催された「怪獣デザインコンクール」で金賞を受賞した中学3年生(当時)の作品なのだそうです。
この頃の『ウルトラセブン』は視聴率低化を挽回しようと、こうした募集デザインを導入したり時節に合わせた流行を無理矢理盛り込もうとしていました。
ところが、既に進められていたシナリオや美術制作にそれらを割り込ませたためこのような中途半端な造形になってしまったものと思われます。

「水中からの挑戦者」満田監督ですから・・・
任務終了後は、ダンとアンヌはボートに乗って湖上デート。
だって、満田監督作品ですから(笑)。
最終回への伏線として、無理矢理にでも二人のデートシーンを挿入したに違いありません。

「水中からの挑戦者」やっぱり河童なんか宇宙人だった
ラストはちょっと薄気味悪い終わり方でした。
日本河童クラブの残り3人が現場を離れる車中の会話で終わるのですが、何故か死んだ竹村のことには誰一人触れようとしないのです。

SF作家「(ドヤ顔で)昔からカッパって呼ばれていたのはあのとおり宇宙人だったんだよ」

「水中からの挑戦者」河童は他にいる
漫画家「(ムキになって)あれは確かにて宇宙人だったが、河童は絶対他にいる。」

「水中からの挑戦者」そうかもしれないわね
女 「(遠い目をして)そうかも知れないわね・・・」

なんか意味ありげではありますが、単に仲間の死を忘れているようにも見えますね。
ていうか、そもそも竹村氏を殺す必然性は無かった気もしますけど・・・?。

「水中からの挑戦者」テペト星人
ところで今回登場したテペト星人ですが、彼らは一体何しに地球へ来てたのでしょうか?。
地球侵略の尖兵だったとか、あるいは宇宙船が故障して不時着しただけだったとか、何ひとつ理由が描かれないままセブンに成敗されてしまいました。

もしかして・・・彼らは人類以前に地球に住んでいた先住文明人だったとか?。
いやいや、今回の場合それはないでしょう。
だってそのネタは、次回の大傑作「ノンマルトの使者」でしっかりと描かれますから。


今週もお付き合いいただきありがとうございました。